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Calculating...

ええと、チャプター26、地下の烈火、ってことで、ちょっと長い話になるんだけど、まあ、気軽に聞いてください。

1971年の夏だったかな、マイケル・ヴォーリスっていう若い地質学者が、ネブラスカ州の東部、果樹園の町からそう遠くない、草木が生い茂った農地で調査をしてたんだよね。彼自身、そこで育ったんだけど。ある日、急な隘路を通ってたら、上の茂みから変な光が射してるのを見つけて、何だろうと思って登ってみたんだ。そしたら、なんと、保存状態の良い小さなサイの頭蓋骨を見つけたんだって。最近の大雨で土の中から出てきたみたいでね。

で、そこから数メートル離れたところに、北米で見つかった化石床としては、かなり珍しい場所だってことがわかったんだ。干上がった水たまりがあって、そこに何十頭もの動物がまとめて埋まってたんだ。サイとか、シマウマみたいな野生の馬とか、剣歯のシカ、ラクダ、カメとかね。みんな1200万年くらい前に、謎の大災害で死んだらしいんだよ。地質学的には中新世っていう時代のことなんだけど、その頃のネブラスカは、今のセレンゲティ平原みたいな、広くて暑い平原だったんだって。動物たちは、なんと3メートルもの厚さの火山灰の下に埋まってたんだよね。で、不思議なことに、当時のネブラスカには火山なんてなかったし、今までも一度も火山ができたことないんだって。

でね、ヴォーリスが見つけた場所は、今はアッシュフォール化石床州立公園っていう名前になってるんだ。新しいビジターセンターと博物館もできて、ネブラスカの地質的な発見とか、化石床の歴史が展示されてるんだって。センターにはラボもあって、ガラス越しに古生物学者が骨をクリーニングしてる様子も見れるんだよね。ある日、僕がそこを通ったら、青い作業着を着て、白髪混じりの人が一人でラボで作業してたんだ。よく見たら、BBCの「ホライズン」っていうドキュメンタリーを監修してたマイケル・ヴォーリスだったんだよ。アッシュフォール化石床州立公園は、ちょっと辺鄙な場所にあるから、観光客もそんなに多くないんだよね。ヴォーリスは、僕を案内して、色々見せてくれるのが嬉しそうだったよ。彼が発見した場所、6メートルくらいの隘路の上にも連れて行ってくれたんだ。

「こんな場所で骨を探すなんて馬鹿げてるよ」って彼は楽しそうに言ってたよ。「でもね、僕は骨を探してたわけじゃないんだ。東ネブラスカの地質図を作ろうと思って、この辺をただ歩き回ってただけなんだ。もしあの隘路に登ってなかったら、もし大雨で頭蓋骨が出てこなかったら、僕はまっすぐ通り過ぎて、何も見つけられなかっただろうね」って言って、近くの覆いの付いた場所を指してたんだ。そこが主要な発掘現場だったらしいんだけど、約200頭の動物が折り重なって横たわってるのが見つかったんだって。

で、僕が「こんな場所で骨を探すのが馬鹿げてるってどういうことですか?」って聞いたら、「そりゃ、骨を見つけるには、露出した岩石がないとダメでしょ。だから、ほとんどの古生物学の研究は、暑くて乾燥した場所で行われるんだ。骨が多いからじゃなくて、骨が見つかる可能性が高いからね。こんな場所じゃ、どこから手を付けたらいいかわからないんだ。すごいものがあるかもしれないけど、どこから探せばいいのか、手がかりがないんだよ」って、彼は広大な草原を指しながら言ってたよ。

最初は、動物たちは生き埋めになったと思われてたんだって。ヴォーリスも1981年に「ナショナルジオグラフィック」の記事でそう説明してたらしいんだけど、「記事ではこの場所を『先史時代の動物のポンペイ』って呼んでたんだけど、それはちょっと残念だったな。すぐに動物たちが突然死んだわけじゃないってわかったから。みんな『肺骨栄養不良』っていう病気にかかってたんだ。大量の腐食性のある灰を吸い込むと、この病気になるんだよ。彼らは何メートルもの灰を吸い込んだからね」って言ってたよ。彼は灰白色の粘土みたいな土を拾って、砕いて僕の手に乗せてくれたんだ。粉末状だけど、ちょっと砂っぽい。「これを吸い込むのは大変だよ」って彼は続けたよ。「細くて鋭いんだ。とにかく、彼らは休憩しようと思ってこの水たまりに来たんだろうけど、苦しみながら死んでいったんだ。この灰はすべてを破壊するんだ。草を覆い、葉にこびりつき、水を飲めない灰色の泥に変えてしまう。飲んだら絶対気分が悪くなるよ」って。

「ホライズン」のドキュメンタリーでは、ネブラスカにこんなにたくさんの灰があるなんて考えられないって指摘してたんだよね。実際には、ネブラスカに大量の灰が堆積してることは、昔から知られてたんだ。1世紀近くの間、灰は彗星とかエイジャックスみたいな家庭用洗剤の原料として採掘されてたんだって。でも、こんなに大量の灰がどこから来たのか、誰も考えなかったのが面白いよね。

「ちょっと恥ずかしい話なんだけど」ってヴォーリスは微笑んで言ったよ。「『ナショナルジオグラフィック』の編集者が、灰はどこから来たのかって聞いてきたんだ。私は知らなかったし、誰も知らなかったんだ。その時初めて、そのことを考えたんだよ」って。

ヴォーリスはサンプルをアメリカ西部の同僚に送って、それが何かわかるかどうか尋ねたんだ。数か月後、アイダホ地質調査所のビル・ボニッチセンっていう地質学者が連絡してきて、その灰はアイダホ州南西部のブルーノ・ジャビッジっていう場所の火山堆積物と完全に一致するって言ってきたんだって。ネブラスカ平原の動物たちを死に至らしめたのは、想像を絶する規模の火山噴火だったんだ。1600キロも離れたネブラスカ東部に3メートルもの火山灰を残すほどだったんだからね。結局、アメリカ西部の地下には、広大なマグマの層、巨大な火山ホットスポットがあることがわかったんだ。それは約60万年ごとに壊滅的な噴火を起こすんだって。最近の噴火は60万年以上前だったんだ。そのホットスポットはまだそこにある。今では、それをイエローストーン国立公園って呼んでるんだよね。

僕たちは、自分たちの足元で何が起こってるのか、本当に何も知らないんだよね。フォードが自動車の生産を始めて、野球の世界選手権が始まったのって、地球に核があることを知ったよりもずっと前のことなんだよ。そう考えると、本当に不思議な感じがするよね。大陸が地球の表面を、水に浮かんだ睡蓮の葉みたいに移動してることを知ってから、まだ一世代も経ってないんだから。「信じられないことだけど」ってリチャード・ファインマンは書いてるけど、「太陽の内部構造の知識は、地球の内部構造の知識よりもはるかに多いんだ」って。

地面から地球の中心までの距離は6370キロ。それほど遠くないんだよね。誰かが計算したんだけど、地球の中心に向かって井戸を掘って、レンガを落とすと、45分で底に落ちるんだって(ただし、その場所では、地球の引力がすべて上と周囲にあって、下にはないので、レンガは無重力になるんだけどね)。実際には、地球の中心まで掘り下げようとした人はほとんどいないんだ。南アフリカには3キロ以上の深さの金鉱山がいくつかあるけど、地球上のほとんどの鉱山の深さは400メートルを超えないんだって。地球をリンゴだとすると、僕たちはまだ皮を剥いたことさえないんだよね。いや、皮を剥くどころじゃないんだ。

1世紀前までは、知識のある科学者でさえ、地球内部について知ってたことは、鉱夫が知ってたこととほとんど変わらなかったんだ。つまり、土の中にしばらく掘り進むと岩にぶつかる、それだけなんだよね。それが1906年、R・D・オールダムっていうアイルランドの地質学者が、グアテマラの地震の地震計の記録を調べてたら、衝撃波が地球の奥深くまで浸透して、ある角度で跳ね返ってくることに気づいたんだ。まるで何かにぶつかったみたいにね。それで、彼は地球には核があるって推論したんだ。3年後、クロアチアの地震学者、アンドリヤ・モホロビチッチがザグレブの地震のグラフを調べてたら、同じような方向転換に気づいたんだけど、今度は浅い層で起きてたんだ。彼は地殻と、その下の層、つまりマントルの境界線を発見したんだ。その領域は後にモホロビチッチ不連続面、略してモホ面と呼ばれるようになったんだ。

こうして僕たちは、地球内部の層について、なんとなくのイメージを持つようになったんだ。ただ、本当にざっくりとしたイメージだけどね。1936年、デンマークの科学者、インゲ・レーマンがニュージーランドの地震の地震計の記録を調べてたら、核が2つあることを発見したんだ。内核と外核だね。内核は硬くて、外核は液体で、磁場を作り出す場所だと考えられてるんだ。

レーマンが地震波の研究を通じて、地球内部の基本的な知識を深めてた頃、カリフォルニア工科大学の2人の地質学者が、前回の地震と次回の地震を比較する方法を開発したんだ。その2人がチャールズ・リヒターとベノ・グーテンベルクだね。公平さとは全く関係ない理由で、マグニチュードの名前はほとんどすぐにリヒタースケールと呼ばれるようになったんだ。(その理由はリヒター自身とは関係ないんだよね。リヒターは謙虚な人で、マグニチュードの前に自分の名前を付けることはなかったんだ。いつもただ「マグニチュード」って呼んでたんだって。)

科学者じゃない多くの人は、リヒタースケールについてずっと誤解してたんだよね。今は少しは改善されてるかもしれないけど。昔、リヒターの研究室を訪れた人は、彼の傑作を見せてくれって頼んでたんだって。機械だと思ってたんだよね。もちろん、リヒタースケールは概念であって、物じゃないんだよね。地面の測定結果に基づいて、恣意的に算出された地球の揺れの大きさのことなんだ。それは指数関数的に上昇するから、マグニチュード7.3の地震は、マグニチュード6.3の地震よりも50倍強く、マグニチュード5.3の地震よりも2500倍強いんだ。

理論的には、地震に上限はないんだ。下限もないんだけどね。マグニチュードは強度を測る簡単な方法だけど、破壊の程度を表してるわけじゃないんだ。マントルの奥深くで発生したマグニチュード7の地震は、例えば650キロ下とかね、地表には何の被害も及ぼさないかもしれないけど、地表から6〜7キロ下で発生したはるかに小さな地震でも、広範囲に被害をもたらす可能性があるんだ。それも、地盤の性質とか、地震の継続時間とか、余震の頻度と強度とか、被災地の具体的な状況によって大きく左右されるんだよね。つまり、最悪の地震は必ずしも最も強い地震とは限らないんだ。もちろん、強度は重要な要素だけどね。

マグニチュードが発明されて以来、最大の地震は(どの資料を使うかによって違うんだけど)1964年3月にアラスカのプリンスウィリアム湾を震源とする大地震か、1960年にチリ沖の太平洋で発生した大地震なんだ。前者はリヒタースケールで9.2。後者は最初は8.6って記録されたんだけど、後にアメリカ地質調査所を含む一部の専門機関が9.5に引き上げたんだ。これでわかるように、地震の測定は必ずしも正確な科学とは言えないんだよね。特に遠くからの記録を解釈する場合はね。とにかく、どちらの地震も大きかったんだ。1960年の地震は、南米西部の沿岸地域に広範囲に被害をもたらしただけでなく、巨大な津波を引き起こしたんだ。津波は太平洋を1万キロ近くも移動して、ハワイ島のヒロ市街地の多くに押し寄せ、500棟の建物を破壊し、60人が死亡したんだ。同じような大波が遠く離れた日本やフィリピンにも到達し、さらに多くの人々が命を落としたんだよね。

でも、集中的な破壊の程度だけで言うと、歴史的に記録されてる最も強烈な地震は、1775年の万聖節(11月1日)にポルトガルのリスボンで発生した地震かもしれないんだ。あの地震は、リスボンを文字通り瓦礫の山に変えてしまったんだ。午前10時近く、街は突然左右に揺れ始めたんだ。激しい揺れは足かけ7分間も続いたんだって。今では、その地震のマグニチュードは9だと推定されてるんだ。揺れの威力はすさまじく、市内の港の水が激しく外に流れ出し、その後、高さ15メートル以上の巨波となって戻ってきて、さらに多くの破壊をもたらしたんだ。揺れがようやく収まると、生存者たちはわずか3分間の平穏を享受しただけだった。その後、最初の地震よりもわずかに弱い2回目の地震が発生したんだ。3回目、つまり最後の地震は、2時間後に発生したんだ。すべてが終わった時、6万人が死亡し、数キロメートル四方にある事実上すべての建物が全壊したんだ。それに比べて、1906年のサンフランシスコ地震はリヒタースケールでわずか7.8で、30秒も続かなかったんだよね。

地震はかなり頻繁に起こるんだよね。世界では平均して1日に2回、マグニチュード2.0以上の地震が発生するんだ。近くにいる人がびっくりするくらいの強さなんだよね。地震は特定の地域に集中することが多いんだけど、特に太平洋沿岸地域だよね。でも、地震はほとんどどこでも起こりうるんだ。アメリカでは今のところ、フロリダ州、テキサス州東部、中西部北部だけが、ほとんど完全に無傷に見えるんだよね。過去200年間で、ニューイングランドではマグニチュード6以上の地震が2回あったんだ。2002年4月には、この地域のニューヨーク州とバーモント州の州境にあるシャンプレーン湖付近でマグニチュード5.1の地震が発生し、地元に大きな被害をもたらし、ニューハンプシャー州でも壁の写真が落ちてきたり、ベッドから子供が転げ落ちたりしたんだからね。僕が証言できるよ。

最も一般的な地震は、2つのプレートが接する場所で発生するんだ。例えば、サンアンドレアス断層に沿ったカリフォルニア州だね。2つのプレートがお互いに押し合いへし合いして、圧力がどんどん増して、最終的にどちらかが譲歩するんだ。一般的に、2つの地震の間隔が長ければ長いほど、蓄積される圧力は大きくなり、大地震の影響範囲は広くなるんだ。東京は特に、そういうことが起こるのを心配してるんだよね。ロンドン大学ユニバーシティ・カレッジの災害リスク専門家であるビル・マグワイアは、東京のことを「死を待つ都市」って言ってるんだ。(多くの旅行パンフレットには、この名言は載ってないけどね。)日本は地震が多い国として知られてるけど、東京はさらに、3つの構造プレートの出会う場所にあるんだよね。1995年に、約500キロ西の神戸市でマグニチュード7.2の地震が発生し、6394人が死亡したことを覚えてるよね。推定損害額は990億ドルにも上ったんだって。でも、それは大したことないんだ。東京が将来被るかもしれない損害に比べればね。

東京は近代になって、一度壊滅的な被害を受けたことがあるんだ。1923年9月1日の正午近くに、有名な関東大震災が発生したんだよね。神戸地震よりも10倍以上強い地震だったんだ。20万人が亡くなったんだ。それ以来、東京は不思議なほど静かなままで、地中の張力は80年も蓄積されてるんだ。結局、いつか爆発するはずなんだよね。1923年当時、東京の人口は約300万人だったんだ。今日では、人口は約3000万人に達してるんだよね。次回の地震で一体何人が亡くなるか、誰にも予想できないんだけど、潜在的な経済的損失は7兆ドルにも上る可能性があると推定されてるんだ。

もっと心配なのは、比較的珍しい地震なんだ。プレート内地震っていうんだけどね。それはあまり知られてなくて、どこでもいつでも発生する可能性があるんだ。プレートの境界から遠く離れた場所で発生するから、予測が全くできないんだよね。震源が深いので、広範囲に影響を及ぼすことが多いんだ。アメリカで経験したそういう地震の中で最も有名なのは、1811年から1812年の冬にミズーリ州のニューマドリッドで発生した3つの連続地震だね。12月16日の真夜中過ぎに始まったんだけど、人々はまず家畜のうろたえる声で目を覚ましたんだ。(地震の前に家畜が落ち着きをなくすのは、迷信じゃなくて、実際に広く認められてることなんだ。理由はまだよくわかってないけどね。)そして、地球の奥底から聞こえる、破裂音のような巨大な音が聞こえてきたんだ。地元の人は急いで外に出ると、地面が1メートルほどの波のように盛り上がり、何メートルも深い亀裂が開いてるのを見たんだ。空気中には強烈な硫黄の臭いが立ち込めてたんだって。地震は4分間も続き、いつものように財産に大きな被害をもたらしたんだ。目撃者の中には、当時その地域にいた画家のジョン・ジェームズ・オーデュボンもいたんだって。地震は強力な力で外に広がり、600キロ以上離れたシンシナティの煙突を倒壊させたんだ。少なくとも1つの報道によると、それは「東海岸の港にいた船を破壊し…ワシントンの国会議事堂の周りに立てられた足場さえも倒壊させた」んだって。1月23日と2月4日には、さらに2回、同程度の規模の地震が発生したんだ。それ以来、ニューマドリッドは平穏無事なんだ。驚くことではないんだけど、そういう地震は同じ場所で2度起こることはないんだって。僕たちが知ってる限りでは、それは稲妻のように不規則なんだ。次回の地震は、シカゴの下とか、パリの下とか、キンシャサの下で起こるかもしれないんだ。誰も予想さえしないけどね。この種のプレート内大地震は、どうやって発生するんだろう?原因は地球の奥底にあるんだ。それ以上のことは何もわかってないんだよね。

20世紀60年代までに、科学者たちは地球内部のことがあまりにもわかってなさすぎることにうんざりして、何か対策を講じようと決心したんだ。具体的に言うと、彼らは海底(大陸上の地殻は厚すぎるから)に穴を開けて、モホ面に到達し、マントルのサンプルを取り出してじっくり研究したかったんだ。地球内部の岩石の性質を解明できれば、それらの相互作用を理解し、地震やその他の厄介な出来事を予測できるようになるかもしれないと考えたんだよね。

そのプロジェクトはほぼ間違いなく「モホ計画」って名付けられることになるんだけど、それはもう悲惨なものだったんだ。彼らはメキシコ沖の4000メートル以上の深さの太平洋にドリルを差し込んで、さらに5000メートル以上掘り下げて、比較的薄い地殻の岩石を貫通したいと考えてたんだ。外海の船からドリルで掘るのは、ある海洋学者の言葉を借りると、「エンパイアステートビルの屋上からスパゲッティを使ってニューヨークの歩道に穴を開けようとするようなものだ」ってことなんだ。すべての努力は失敗に終わったんだ。せいぜい180メートルくらいの深さまでしか掘り進められなかったんだって。モホ計画は、最終的に「掘削不能」ってことになったんだ。1966年、コストがどんどん膨れ上がって、成果が見られないことに腹を立てた議会は、そのプロジェクトを中止しちゃったんだ。

4年後、ソ連の科学者が陸上で運試しをすることにしたんだ。彼らはすぐに実行に移し、ロシアのコラ半島、フィンランドとの国境からそう遠くない場所を選んだんだ。深さ15キロまで掘り進められることを願ってね。その作業は予想以上に困難だったんだけど、ソ連の人たちは称賛に値する粘り強さを持っていたんだ。19年後にようやく諦めた時には、彼らは12262メートルの深さまで掘り進めていたんだ。でも、忘れないでほしいのは、地殻は地球の体積の約0.3%を占めるにすぎないってことなんだ。コラ掘削はまだ地殻の3分の1にも達してないんだから、僕たちが地球内部を征服したとは言えないよね。

掘削の深さは限られていたんだけど、発見されたことはほぼすべて研究者たちを驚かせたんだ。地震波の研究では、科学者たちは4700メートルの深さで堆積岩にぶつかり、その下には厚さ2300メートルの花崗岩、さらにその下には玄武岩があるだろうと予測してたんだけど、自信を持って予測してたんだ。しかし、実際には堆積岩層は予想よりも50%厚く、玄武岩層は全く発見されなかったんだ。しかも、地下世界は予想よりもずっと暖かく、1万メートルの深さの温度は180℃にも達し、予想の約2倍だったんだ。最も驚くべきことは、深い場所の岩石が水で浸されていたことなんだ。それはありえないことだと考えられてたんだけどね。

僕たちは地球の深部を見ることはできないから、別の方法を使わなければならないんだ。その主な方法は、波が地球内部を伝わる様子を観察して、そこがどうなってるのかを推測することだね。僕たちは、いわゆるキンバーライトパイプ(ダイヤモンドが形成される場所)から、マントルの状況について少し知ってるんだ。そこでは、地球の深部で爆発が起きて、マグマの爆弾が超音速で地上に噴出するんだって。それは全く不規則な現象なんだ。あなたがこの話を聞いてる時にも、あなたの家の裏庭でキンバーライトパイプが爆発する可能性があるんだ。それは地中深く、深さ200キロまで通じてるから、キンバーライトパイプは地表や地表付近では通常見られないものを運んでくるんだ。かんらん岩とか、かんらん石の結晶とか、ダイヤモンドとかね。ダイヤモンドが運ばれてくるのはごくまれで、100個の岩筒のうち約1個しか、そんなことは起こらないんだって。キンバーライトパイプの噴出物は大量の炭素を運んでくるけど、そのほとんどは蒸気になったり、グラファイトになったりするんだ。ごくまれに、炭素の塊がちょうどいい速度で噴出し、必要な速度で急速に冷却されて、ようやくダイヤモンドになるんだよね。まさに、こういう岩筒のおかげで、南アフリカは世界で最もダイヤモンドを産出する国になったんだ。でも、おそらく他の国にもっと豊富な埋蔵量がある可能性もあるんだよね。僕たちはまだ知らないけど。地質学者たちは、インディアナ州北東部付近に、巨大な岩筒または岩筒群が存在する兆候がある場所があることを知ってるんだ。20カラット以上のダイヤモンドが、その地域全体のさまざまな場所で発見されてるんだって。でも、誰もその源を見つけられてないんだ。ジョン・マクフィーは、それが氷河堆積物の下とか、アイオワ州のマンソンクレーターみたいに、または五大湖の下に埋まってるかもしれないって指摘してるんだ。

それで、僕たちは地球の内部事情について、一体どれくらい知ってるんだろう?ほとんど知らないんだよね。科学者たちは一般的に、僕たちの足元にある世界は4つの層に分かれてると考えてるんだ。岩石の外殻、熱くて粘り気のある岩石でできたマントル、液体の外核、そして固体の内核だね。(地球内部の各層の厚さについてもっと詳しく知りたい人のために、平均値を紹介するとね、0〜40キロが地殻。40〜400キロが上部マントル。上部マントルと下部マントルの間の移行帯が400〜650キロ。650〜2700キロが下部マントル。2700〜2890キロがD層。2890〜5150キロが外核。5150〜6370キロが内核だね。)僕たちは、地表の主な成分がケイ酸塩であることを知ってるんだ。ケイ酸塩は比較的軽いから、この惑星全体の密度を説明するには不十分なんだよね。だから、中にはもっと重いものがあるはずなんだ。僕たちは、磁場を作り出すためには、中のどこかに濃縮された液体の金属元素の帯がある必要があることを知ってるんだ。これらはみんなが認めてることだね。それ以外は、ほとんどすべてが、これらの構造がどのように相互作用するのか、なぜこのような動きをするのか、将来いつかどんな動きをするのか、控えめに言っても不確かな問題なんだよね。一般的には非常に不確かな問題なんだ。

その一部である地殻でさえ、議論の的になってるんだよね。ほとんどすべての地質学の文献には、地殻の厚さは海の底で5〜10キロ、大陸の下で約40キロ、山脈の下で65〜95キロって書いてあるけど、これらの一般的な規則の中には、多くの不可解な変動があるんだ。例えば、シエラネバダ山脈の地下の地殻の厚さは約30〜40キロしかないんだ。なぜそうなってるのか、誰もわかってないんだよね。地球物理学のすべての原理から考えると、シエラネバダ山脈は流砂に陥るように沈下するはずなんだよね。(山脈は沈下してるのかもしれないって考えてる人もいるけどね。)

地球はどのように地殻を手に入れたのか、いつ手に入れたのか、という2つの問題で、地質学者たちは大きく2つの陣営に分かれてるんだ。一つは、それは地球の歴史の初めに突然起こったって考える人たち。もう一つは、それは徐々に起こった、しかも比較的遅い時期に起こったって考える人たちだね。みんな、これらの問題について感情的になってるんだ。イエール大学のリチャード・アームストロングは、20世紀60年代に初期爆発の理論を提唱して、残りの人生を反対意見を持つ人たちとの戦いに費やしたんだ。彼は1991年に癌で亡くなったんだけど、1998年の「地球」誌によると、亡くなる直前に「オーストラリアの地球科学雑誌での論争で、自分の批判者を激しく非難し、神話を永続させたと非難した」んだって。「彼は死んでも死にきれないんだ」って、ある同僚は言ってたよ。

地殻と、外側マントルの一部を合わせて、リソスフェア(ギリシャ語の岩を意味するlithosに由来)って呼ぶんだ。そして、陸地境界は、アセノスフェア(ギリシャ語の「力がない」という意味に由来)と呼ばれる、より柔らかい岩石の上に浮いてるんだけど、これらの名称は常にあんまり良いとは言えないんだよね。リソスフェアがアセノスフェアの上に浮いてるって言うのは、ある程度の浮力があるってことだけど、それは完全に正しいわけじゃないんだ。同様に、岩石が平面状に流れる物体のように流れるって考えるのも、誤解を生むんだよね。岩石は粘り気があるけど、ガラスによく似てるんだ。それはありそうもないことのように思えるかもしれないけど、重力の持続的な引っ張りによって、地球上のすべてのガラスは下に流れ込んでるんだ。ヨーロッパの教会の窓から本当に古いガラスを取り外すと、底が上部よりも明らかに厚くなってるのがわかるんだよ。僕たちが話してるのは、そういう「流れ」のことなんだ。時計の針の動く速度は、マントルの岩石の「流れ」の速度よりも約1万倍速いんだ。

移動は本当に起こるだけじゃなくて、地球のプレートが平面移動するように、また岩石がいわゆる対流の攪拌作用の下で浮き沈みするように、上下にも移動するんだ。対流というプロセスは、18世紀末にラムフォード伯爵によって最初に推論されたんだ。60年後、オスモンド・フィッシャーっていうイギリスの牧師が、地球内部は液状化してて、その上で物が自由に移動できるかもしれないって予見してたんだけど、その見解は長い間支持されなかったんだ。

1970年頃になって、地質学者たちが地中がとんでもない状態になってることに気づいた時、そのニュースは本当に衝撃的だったんだ。ショーン・ボーゲルは、彼の著書「裸の地球:新しい地球物理学」の中でこう言ってるよ。「科学者たちが何十年もかけて地球の大気の層、対流圏、成層圏などを発見し、突然風を発見したようなものだ」って。

それ以来、対流プロセスがどれくらい深い場所まで及んでるのかは、議論の的になってるんだ。650キロ下から始まると言う人もいれば、3000キロ以上下から始まると言う人もいるんだ。ジェームズ・トレフィルは、問題は「2つの異なる分野からの2組のデータが、互いに両立しないことだ」って考えてるんだ。地球化学者は、地球表面にある特定の元素は上部マントルから来たとは考えられず、地球内部のより深い場所から来たに違いないって言うんだ。したがって、上部マントルと下部マントルの物質は、少なくとも時々混ざり合ってるはずなんだ。地震学者は、そのような議論を支持する証拠はないって考えてるんだ。

だから、僕たちは地球の中心に向かう過程で、いつかはアセノスフェアを離れて、純粋なマントルに入るって言うしかないんだ。マントルは地球の体積の82%、質量の65%を占めてるんだけど、あまり重要視されてないのは、地球上の科学者や一般読者が関心を持ってるのが、地中深くにあるもの(例えば磁力)か、地表に近いもの(例えば地震)だからなんだよね。僕たちは、約150キロの深さになると、マントルは主に橄欖岩っていう岩石で構成されてることを知ってるんだけど、それより下の2650キロは何なのかは不明なんだ。「ネイチャー」誌の記事によると、橄欖岩ではないようだ、って書いてあるんだ。それ以上のことは何もわかってないんだよね。

マントルの下には2つの核があって、一つは固い内核、もう一つは液体の外核だ。言うまでもなく、僕たちが2つの核の性質について知ってることは間接的なことばかりなんだけど、科学者たちはいくつかの合理的な仮説を立てることができるんだ。彼らは、地球の中心の圧力が非常に高いことを知ってるんだ。地表上の最大圧力の約300万倍にもなるんだ。その圧力で、そこの岩石は硬くなるんだよね。彼らはまた(多くの手がかりの中でも)地球の歴史から、内核は自分の熱を保存するのが得意であることを知ってるんだ。ただの推測にすぎないけど、内核の温度は過去40億年で110℃も下がってないと考えられてるんだ。内核の温度が一体どれくらい高いのか、誰も知らないけど、4000〜7000℃と推定されてるんだ。だいたい太陽の表面の温度と同じくらいだね。

外核は多くの点でより解明されてないんだけど、誰もが液体で、磁場を作り出す場所だって考えてるんだ。1949年、ケンブリッジ大学のE・C・ブラードは、核の液体の部分が何らかの方法で回転して、事実上電気モーターとなり、地球の磁場を作り出してるっていう理論を提唱したんだ。彼は、地球内部の対流する液体は、ある意味で電線の中の電流の役割を果たしてると考えてたんだ。一体どうなってるのか、今はまだよくわかってないけど、磁場の形成は核の回転と関係があり、核が液体であることと関係があるってことは、ほぼ確実だって考えられてるんだ。液体の核を持ってない物体、例えば月や火星には、磁力がないんだよね。

僕たちは、地球の磁場の強度が絶えず変化してることを知ってるんだ。恐竜時代には、磁場の強度は現在の3倍だったんだ。僕たちはまた、それが平均して50万年ごとに自己反転することを

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