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Calculating...

えー、自分の価値観に沿って生きるって、まあよく言われることですよね。自分のコアとなる価値観って何だろう?って考えると、うーん、ちゃんとまとめたことって、正直、今までなかったかも。でも、いくつか思いつくことはありますね。

まず、一番核にあるのは、やっぱり誠実さかな。ここで言う誠実さっていうのは、まあ、ありのままの自分でいるってこと。状況によっては、こう、言葉を選んだり、態度を繕ったりしなきゃいけない場面もあるじゃないですか。特に、相手によってはね。でも、そういう場所にいたくないし、そういう人とは付き合いたくない。心で思ってることと、口に出すことが違うと、頭の中で複数の情報処理をしなきゃいけなくなるし、そうなると、今この瞬間に集中できないんですよね。常に、過去を後悔したり、未来を計画したり、なんかそわそわしちゃう。だから、ありのままの自分を出せる人とだけ、付き合いたいんです。

結局、人に嘘をつく前に、まず自分に嘘をつかないといけないし。

それから、もう一つ基本的な価値観としてあるのは、短期的な考え方とか、短期的な取引が、あんまり好きじゃないってこと。ビジネスパートナーが、目先の利益ばっかり追い求めてたら、一緒に仕事したくない。人生におけるすべての報酬って、富とか、人間関係とか、愛情とか、健康とか、活動とか、習慣とか、全部、複利で積み重なっていくものだと思うんです。だから、一生付き合えるような相手とか、長期的なリターンが見込めるようなことに、時間を使いたい。

あと、もう一つ。これは、割と大事にしてるんだけど、上下関係じゃなくて、フラットな関係がいい。誰よりも偉くなりたいとか、誰よりも下に見られたいとか、そういうのは全くない。お互いを対等な人間として扱えない人とは、やっぱりうまくいかないことが多いし、一緒にいたくない。

それと、これは最近特に強く思うんだけど、怒るってことが、本当に無意味だってこと。若い頃は、怒ることは良いことだと思ってたし、男らしさの象徴みたいな、そんな風に思ってた時期もあったけど、今は、仏教の教えにあるように、「怒りを抱くことは、他人に投げつけるために熱い炭を持つようなもの。結局、火傷するのは自分自身だ」っていうのが、すごく腑に落ちるんです。だから、怒りたくないし、怒ってる人とも一緒にいたくない。だから、自分の人生から、そういう人は排除するようにしてる。別に、その人を批判してるわけじゃないんですよ。自分自身も、過去にはたくさん怒ってたし。それは、自分で解決すべき問題だから。私の周りで怒るのは、勘弁してって感じかな。

うーん、ここまで話したことが、一般的な価値観の定義に当てはまるのかどうかは、正直、よく分からないけど、少なくとも、私が絶対に妥協できないことだし、私の人生の基準になってることは確かですね。誰だって、自分なりの価値観を持ってると思うし。良い人間関係とか、良い同僚とか、良い恋人とか、良い妻とか、良い夫とか、そういうのを手に入れるためには、自分の価値観と、ぴったり合う人を見つけることが、すごく重要だと思うんです。価値観が同じなら、自然とうまくいくし、問題も起こりにくい。逆に、人が何かをめぐって争ったり、喧嘩したりするのって、ほとんどの場合、価値観が違うからだと思うんですよね。価値観が一致していれば、些細なことは気にならなくなるし。

実は、妻と私が一緒にいるまでには、結構、大きな壁があったんですよ。私は本当に一緒にいたかったんだけど、妻は最初、迷ってたみたいで。最終的に、一緒にいられるようになったのは、妻が私の価値観を見てくれたからだと思うんです。当時、すでに今の価値観を持っていたことは、本当に良かったと思う。そうでなかったら、たぶん、彼女を手に入れることはできなかったと思うし、彼女には、ふさわしくなかったと思う。投資家のチャーリー・マンガーも言ってるように、「素晴らしいパートナーを見つけたければ、まず、自分自身が素晴らしいパートナーになることだ」って、本当にその通りだと思います。

私の妻は、本当に素敵な人なんです。彼女は家族を大切にするし、私もそう。それが、私たちを結びつけている、基本的な価値観の一つですね。

あと、子供を産み育てることは、人を大きく変えますね。子供が生まれた瞬間、人生の意味とか、目的とか、そういう問いに対する答えが、突然、目の前に現れたような、そんな不思議な感覚になるんです。突然、宇宙で一番大切なものが、自分自身から、子供に移る。それによって、人は変わるし、価値観も、本質的に、利己的ではなくなるんだと思います。

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