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えーっと、皆さん、今回はですね、えー、大気の話、うん、していこうかなと思います。いやー、本当に、ありがたいですよね、大気って。あれがなかったら、もう、地球はね、完全な氷の塊ですよ。平均気温がマイナス50度とか、考えられないですよね。それに、宇宙から来る放射線とか、帯電粒子とか、紫外線とか、そういうのを全部、吸収したり、遮ったりしてくれるわけですよ。
なんかね、4.5メートルの厚さのコンクリートみたいなもんらしいですよ、大気って。それがなかったら、もう、宇宙からの見えない攻撃が、こう、小さいナイフみたいに、体に突き刺さってくるっていうんですよ。怖い怖い。雨粒だって、大気がなければ、もう、人に当たったら、気絶するレベルらしいですよ。
でね、意外なことに、この大気って、そんなに多くないんですよ。上空190キロぐらいまで広がってるんですけど、地球をね、デスクの上の地球儀ぐらいに縮小したら、大気なんて、ほんとに、ペンキ一、二枚塗ったぐらいの厚さしかないんですって。びっくりですよね。
科学的には、大気はね、対流圏、成層圏、中間圏、電離圏(今は熱圏とも言うらしいですけど)っていう、四つの層に分けられてるんですよ。で、この中でも、特に重要なのが、対流圏。
対流圏には、私たちが生きていくのに必要な熱と酸素が、ほとんど全部含まれてるんです。まあ、上に行けば行くほど、生命には適さない場所になっていくんですけどね。対流圏の厚さは、赤道付近で約16キロ、温帯地域だと10~11キロぐらいなんですって。で、大気の質量の80%が、この薄くて希薄な層に集中してるんですよ。私たちと空の間には、実は、あんまり何もないんですね。
対流圏の上にあるのが、成層圏。雷雲がね、上の方で広がって、金床みたいな形になるのを見たことあります?あれが、対流圏と成層圏の境目なんですって。この見えない天井は、対流圏界面って呼ばれてて、1902年にフランスの人が気球で発見したらしいですよ。
対流圏界面はね、高いところにあるとは言っても、実は、そんなに遠くないんですよ。現代の超高層ビルのエレベーターなら、20分ぐらいで着いちゃうらしいです。でも、やめた方がいいですよ。気密されてない状態で、そんなに早く上昇したら、脳とか肺とかがむくんじゃって、大変なことになりますから。観測台のドアが開いた瞬間、ほぼ確実に、死んじゃうか、瀕死の状態になるでしょうね。
ゆっくり登ったとしても、やっぱり、かなりキツいですよ。10キロ上空の気温は、マイナス57度まで下がるし、酸素も必要になるでしょうしね。
対流圏を抜けると、今度は、オゾン層っていうのがあって、これが紫外線を吸収してくれるおかげで、気温がすぐに上がって、大体4度ぐらいになるんですって。さらに上の中間圏では、また気温が下がって、マイナス90度になる。で、最後に、熱圏では、名前の通り、一気に1500度以上にまで上がるんですよ。しかも、昼と夜の気温差が500度以上もあるらしいですよ。
ただね、この高さでの温度っていうのは、ちょっと、概念的なものなんですよ。温度って、結局、分子の活動の度合いを示すものなんです。海面高度では、空気の分子密度が高いから、分子がちょっと動くだけで、他の分子にぶつかるんです。で、ものすごい数の分子がぶつかり合うから、たくさんの熱が交換されるわけですね。
でも、熱圏の高さ、80キロ以上になると、空気がすごく薄くなるから、分子同士が数キロも離れてて、ほとんど接触しないんですよ。だから、それぞれの分子のエネルギーは高いんだけど、お互いに影響し合わないから、熱が伝わりにくくなるんですね。これって、衛星とか宇宙船にとっては、ありがたいことなんですよ。熱交換が頻繁に行われるような場所だと、燃え上がっちゃう可能性があるからね。
とはいえ、宇宙船も、外層大気では、やっぱり、注意しないといけないんですよ。特に、地球に帰還する時。2003年に起きたコロンビア号の事故が、いい例ですよね。大気が薄いとは言え、突入角度が大きすぎたり、速度が速すぎたりすると、たくさんの分子と衝突して、燃えやすい状態になってしまうんです。逆に、突入角度が小さすぎると、まるで水面を跳ねる石みたいに、宇宙空間に跳ね返されてしまう可能性もあるんです。
自分がどれだけ地上に依存しているかっていうのを知るために、わざわざ、大気圏の端まで行く必要はないんです。標高の高い都市に住んだことがある人ならわかると思うんですけど、数百メートル登っただけで、体が、もう、おかしくなってくるんですよ。経験豊富な登山家でさえ、酸素ボンベを背負っていても、高山病になるんです。頭痛とか、吐き気とか、疲労感とか、凍傷とか、低体温症とか、食欲不振とか、色々な症状が出てくるんですよ。人間の体は、高いところで活動するには、適してないってことを、色々な形で教えてくれるんですね。
登山家のピーター・ハーベラーは、エベレストの頂上についてこう書いています。「最も有利な状況下でも、あの高さでは、一歩踏み出すごとに、ものすごい意志力が必要になる。自分を無理やり前に進ませ、掴めるものを掴まなければならない。常に、極度の疲労感がある」。イギリスの登山家で、映画製作者でもあるマット・ディキンソンは、著書の中で、1924年にエベレストに登ったハワード・サマーヴィルのことを記録しています。サマーヴィルは、「気管を塞ぐほどの炎症を起こした肉片が剥がれ落ち、窒息しかけた」そうです。彼は、なんとか肉片を咳き出すことができたのですが、それは「喉全体の粘膜」だったそうです。
7500メートル以上の高さは、登山家が「デスゾーン」と呼ぶ場所で、体は、もう、完全に限界です。でも、4500メートルぐらいの高さでも、体が弱って、危険な状態になる人もいるんですよ。これは、体力があるかないかとは、あまり関係がないみたいなんです。おばあちゃんが元気なのに、若い人が、もう、ダメだって言って、下山させられることも、よくあるみたいですね。
人間が連続して生活できる限界は、大体5500メートルぐらいと言われています。標高の高い場所に慣れている人でも、長期間、その高さで生活することはできないんです。アンデス山脈の5800メートル地点には、硫黄鉱山があるんですけど、鉱山労働者たちは、毎日460メートル下って、また登ってくることを選んだんです。ずっと、そこに住むよりもね。高いところに住んでいる人たちは、何千年もの時間をかけて、酸素を運ぶ赤血球の濃度を3分の1ぐらいまで増やすことができる特別な胸郭と肺を持っているんですけど、赤血球濃度にも限度があって、高すぎると、血液の流れが悪くなってしまうんです。それに、5500メートル以上の高さでは、完全に順応している女性でも、胎児に十分な酸素を送ることができなくて、早産になってしまうらしいですよ。
18世紀の80年代には、ヨーロッパで気球を使った上昇実験が始まったんですけど、そこで、驚くべきことがわかったんです。それは、高度が上がるほど、気温が低くなるということ。1000メートル登るごとに、大体1.6度ぐらい下がるんですって。普通に考えたら、熱源に近づくほど暖かくなるはずなのに、なぜ、そうならないのか?
その理由の一つは、太陽に近づいたとは言っても、ほんのわずかだってこと。太陽は、1億5000万キロも先にあるんですよ。数百メートル近づいたところで、オハイオ州からオーストラリアの山火事の煙の匂いを嗅ごうとするようなものなんです。
で、もう一つの理由は、大気中の分子密度に関係があるんです。太陽の光は、原子を活性化させます。活性化された原子は、すごいスピードで動き回って、お互いにぶつかり合い、熱を放出するんです。夏の日に、背中がポカポカするのは、太陽の光が原子を活性化させているからなんです。高度が高くなると、原子の数が少なくなるから、ぶつかり合う回数も減ってしまう。だから、気温が低くなるんですね。
空気って、ちょっと、騙されやすいんですよ。海面高度では、空気が軽いから、ほとんど重さを感じないですよね。でも、実際には、空気の質量はすごく大きいんです。海洋学者のワイヴィル・トムソンは、1世紀以上前にこう書いています。「朝起きた時に、気圧計が2.5センチ上がっていることに気づくことがある。それは、夜の間に、半トン近い重さが静かに私たちの上にのしかかっていたことを示している。しかし、私たちは何も不快に感じない。それどころか、密度が高い空気の中で体を動かすには、ほんの少しの力で済むので、元気が出ているように感じる」。
半トンもの圧力がかかっても押しつぶされないのは、深海に潜っても押しつぶされないのと同じ理由なんです。私たちの体は、主に、圧縮できない液体でできているから、体の中と外の圧力がバランスを取れるようになっているんですね。
でも、空気が動いている状態、例えば、ハリケーンとか強風とかになると、空気の質量が、いかに大きいかっていうことを、すぐに思い知らされますよね。私たちの周りには、約5200兆トンの空気があるんです。地球の1平方キロメートルあたり、900万トン以上ですよ。ものすごい量ですよね。その数百万トンの空気が、時速50キロとか60キロで動くわけですから、木の枝が折れたり、屋根瓦が飛んだりするのも、当然と言えば当然ですよね。アントニー・スミスが言うように、典型的な気象前線は、10億トンの熱い空気と、その下に押し込められた7億5000万トンの冷たい空気で構成されていることもあるんです。気象庁の人たちが興奮するのも、無理はないですよね。
もちろん、私たちの頭上には、エネルギーがたくさんあるんですよ。大規模な雷雨には、アメリカ全体の4日分の電力に相当するエネルギーが含まれていることもあるんです。適切な条件下では、雷雨雲は10~15キロの高さまで上昇し、時速150キロ以上の速度で上昇気流と下降気流を伴うことがあるんです。この二つが、並んで発生することが多いので、飛行機は、そこを通りたくないんですね。内部が混沌とした雲の中で、粒子が電荷を帯びていくんです。理由は完全には解明されていないんですけど、軽い粒子は正の電荷を帯びて、上昇気流に乗って雲の上部に移動する。重い粒子は下部に留まり、負の電荷を蓄積する。この負の電荷を帯びた粒子は、正の電荷を帯びた地球に向かって突進したがっているんですけど、間に挟まれたものは、運を天に任せるしかないですね。稲妻は時速43万5000キロで移動し、周囲の空気を2万8000度まで加熱することができるんです。それは、太陽の表面温度よりも、数倍も高い温度です。常に、世界中で1800件もの大規模な雷雨が発生していて、平均すると、1日に4万件ぐらいになるんですよ。稲妻は、昼夜を問わず地球を駆け巡り、1秒間に約100本の稲妻が大地を叩きつけているんです。空は、本当に、活気に満ちた場所ですよね。
私たちが、こういったことについて知っていることの多くは、ごく最近になってわかったことなんです。信じられないですよね。ジェット気流は、通常、9000~1万メートルの高さに位置していて、時速300キロ近い速度で移動し、大陸全体の気象システムに大きな影響を与えています。しかし、私たちがその存在に気づいたのは、第二次世界大戦中に、パイロットがそこを飛び始めた時なんです。今でも、私たちがほとんど何も知らない空気の現象がたくさんあります。その一つが、「晴天乱気流」と呼ばれる波動で、たまに、飛行機を激しく揺さぶることがあるんです。毎年、20件ぐらいは、報道されるほどの事故が起きているらしいですよ。これらの乱気流は、雲の構造とか、レーダーで観測できるようなものとは関係がないんです。晴れた空に発生する、ごく小さな乱気流なんです。例えば、シンガポールからシドニーに向かう飛行機が、オーストラリア中央部を平穏な状態で飛行していたところ、突然、90メートルも降下した、なんてことがあったそうですよ。シートベルトをしていなかった人は、天井に叩きつけられたでしょうね。12人が怪我をして、1人は重傷を負ったそうです。こんな小さな乱気流が、なぜ発生するのか、誰にもわからないんです。
大気中で空気が乱流を起こすプロセスは、地球内部の機械が回転するプロセスと同じ、つまり、対流なんです。湿った暖かい空気は、赤道地域から上昇し、対流圏界面にぶつかると、外側に広がっていく。赤道から離れるにつれて、徐々に冷やされ、沈んでいく。地面に到達すると、沈んだ空気の一部は、低圧地域に向かって流れ、反転して赤道に戻っていく。これが、対流です。
赤道地域では、対流は比較的安定していて、いつも天気がいいんですけど、温帯地域では、季節の変化とか、地域差とかが大きくて、規則性がないんです。その結果、高気圧システムと低気圧システムの間で、永遠に終わることのない戦いが繰り広げられるんです。低気圧システムは、上昇気流によって作られ、水分子を空に送り、雲を作り、最終的には雨を降らせます。暖かい空気は、冷たい空気よりも多くの水蒸気を運ぶことができるので、熱帯地方とか、季節外れの豪雨が多いんですね。だから、低いところは、雲とか雨とかと関係が深くて、高いところは、一般的に、日差しが強くて、天気がいいんです。二つのシステムが出会うと、雲の様子から、それがわかることが多いんです。例えば、水蒸気を帯びた上昇気流が、上にある安定した空気の層を突破できないと、煙が天井にぶつかった時のように外側に広がって、層雲になるんです。
もし、雲がどんなものか知りたかったら、タバコを吸って、煙がどのように立ち上っていくかを観察するといいですよ。最初に、煙が真っ直ぐに立ち上って、層状の流れになる。次に、外側に広がって、波状の層に拡散していく。精密に制御された環境で行われる測定に使う世界最大のスーパーコンピューターでも、こういった波状の煙がどんな形になるかを正確に予測することはできないんです。気象学者は、常に自転している広大で風の強い世界で、この動きを予測しなければならないので、どれだけ難しいか、想像できますよね。
わかっていることは、太陽の熱が均等に分布していないことが、地球上に異なる気圧を作り出しているということ。空気は、このような状態を嫌うので、あちこちぶつかりながら、すべての場所でバランスを取ろうとする。風は、空気がバランスを取ろうとする手段の一つなんです。空気は、常に、高気圧の場所から低気圧の場所へ流れていくんです。
風速は、ほとんどの累積的なものと同じように、指数関数的に増加していくんです。だから、時速300キロで吹く風は、時速30キロで吹く風よりも10倍強いわけではなくて、100倍も強いんです。だから、破壊力も桁違いに大きいんです。数百万トンの空気を、そのスピードまで加速させたら、ものすごいエネルギーが発生します。熱帯性低気圧が24時間で放出するエネルギーは、イギリスやフランスのような豊かな中程度の国が、1年間で使用するエネルギーに相当するんです。
大気がバランスを取ろうとする衝動は、まず、エドモンド・ハリーによって発見されて、彼のイギリスの同僚であるジョージ・ハドリーが18世紀に解説したんです。ハドリーは、上昇気流と下降気流が、環流を生み出すことに気づいたんです。ハドリーは弁護士でしたが、天気には強い関心を持っていたんです。彼はまた、環流、地球の自転、空気の明らかな方向転換との関係を提唱しました。空気の方向転換は、貿易風を生み出します。しかし、パリ高等工科学校のエンジニアリング教授、ギュスターヴ・ガスパール・コリオリが、1835年にこれらの相互作用の詳細を解明したため、コリオリ効果と呼ぶんです。
コリオリは、学校でのもう一つの貢献として、ウォータークーラーを発明しました。コリオリクーラーと呼ばれています。地球は、赤道で時速約1675キロで回転しています。極に近づくと、その速度は、大幅に遅くなります。例えば、ロンドンやパリでは、時速約900キロです。その理由は、少し考えればわかると思います。もし、あなたが赤道にいるなら、地球は、あなたを元の場所に戻すために、約4万キロもの距離を回転しなければなりません。しかし、もし、あなたが北極にいるなら、数メートル歩くだけで、一周できるんです。しかし、どちらの場合でも、出発点に戻るには、24時間かかるんです。だから、赤道に近ければ近いほど、回転速度は速くなるはずなんです。
空中で、地球の自転方向と横方向に直線運動する物体は、距離が離れるほど、北半球では右に、南半球では左に、弧を描いて動いているように見えるのは、なぜでしょうか?コリオリ効果は、地球が下で回転しているからだと説明します。これを理解する一般的な方法は、自分が大きなスタジアムの中央に立って、端に立っている人にボールを投げることを想像することです。ボールが端に到着するまでに、その人は前に移動しているので、ボールは、その人の背後を通過します。その人の視点から見ると、ボールは弧を描いて、彼を避けていったように見えるんです。これがコリオリ効果なんです。この効果によって、気象システムが丸まって、ハリケーンがコマのように回転しながら移動するんです。コリオリ効果は、海軍が大砲を発射する際に、左右の方向を調整しなければならない理由も説明しています。そうでなければ、25キロ先に発射された砲弾は、目標から約90メートルも外れて、海に落ちてしまうでしょうね。
天気は、実際にも、心理的にも、ほとんどすべての人にとって重要であることを考えると、気象学が19世紀の前夜になって、ようやく科学として始まったことは驚くべきことです。気象学という名前は、1626年から存在していたんですけどね。T・グランジャーという人が、論理学の本の中で作ったんです。
問題の一部は、気象学を成功させるためには、温度を正確に測定する必要があるということでした。温度計を作るのは、予想以上に難しかったんです。正確な測定値は、ガラス管の内径が非常に均一であることに左右されます。それは、なかなか難しいことなんです。この問題を解決した最初の人物は、オランダの計器メーカー、ダニエル・ガブリエル・ファレンハイトでした。彼は、1717年に非常に正確な温度計を作り出しました。しかし、理由は不明ですが、彼は、温度計の氷点を32度、沸点を212度に設定しました。この奇妙な数値は、最初から一部の人々にとって不便でした。1742年、スウェーデンの天文学者、アンデルス・セルシウスは、別の温度スケールを提案しました。セルシウスは、自分の温度スケールで沸点を0度、氷点を100度に設定しました。しかし、そのスケールはすぐにひっくり返されました。
現代気象学の父として最もよく知られているのは、イギリスの薬剤師、ルーク・ハワードです。彼は、19世紀初頭に有名になりました。ハワードの主な貢献は、1803年に雲のタイプに名前を付けたことです。彼は、リンネ学会のアクティブで尊敬されるメンバーであり、新しいスキームではリンネの原則を使用しました。しかし、彼は、新しい分類スキームを発表するフォーラムとして、あまり知られていないアスキー学会を選びました。アスキー学会のメンバーは、亜酸化窒素の楽しみしか考えていなかったので、ハワードの発表が真剣に受け止められたかどうかはわかりません。
ハワードは、雲を3つのカテゴリーに分けました。層状の雲は、層雲と呼ばれます。フリース状の雲は、積雲と呼ばれます。積雲という名前は、ラテン語で「積み重ね」という意味です。高いところにある薄い羽毛状の構造は、巻雲と呼ばれます。巻雲は、一般的に、寒い天気が来る前に現れます。その後、彼は4つ目の名前を追加して、雨を降らせる雲を雨雲と名付けました。雨雲は、ラテン語で「雲」という意味です。ハワードのシステムの優れた点は、これらの基本的な要素を自由に組み合わせて、空に浮かぶあらゆる形、あらゆるサイズの雲、例えば、積層雲、巻層雲、積乱雲などを表現できることです。このシステムは、すぐに成功を収めました。イギリスだけでなく、ゲーテもこのシステムを高く評価し、ハワードに4つの詩を捧げました。
その後の数年間で、ハワードのシステムには多くの内容が追加され、最終的に、百科事典的な内容でありながら、ほとんど誰も読まない国際雲図鑑が2巻にまとめられました。興味深いことに、ハワードの死後に確定された雲のタイプ、例えば、乳房雲、冠状雲、霧状雲、厚層雲、フロック状雲、中層雲などは、気象学界以外では全く受け入れられておらず、気象学界内でも受け入れている人は少数だと言われています。ちなみに、1896年に出版された図鑑の初版では、雲は10の基本的なタイプに分類されています。その中で、最もふっくらとしていて、クッションのような巻積雲は、9番目に配置されています。積雲はきれいで、端がはっきりしているのに対して、他の雲はぼんやりしている。これは、積雲の湿った内部と外の乾燥した空気との間に明確な境界線があるからです。水分子が雲の端から出ると、外の乾燥した空気がすぐにそれを取り除くため、積雲の端はきれいに保たれるんです。はるかに高いところにある巻雲は、氷と、雲の端と外の空気の間の領域で構成されているため、端がぼんやりしていることが多いんです。「九天雲霄」という表現は、これに由来しているようです。
時々現れる金床状の雷雨雲は、恐ろしい外観とは裏腹に、一般的には、穏やかで実質のないものです。夏にできるフリース状の積雲は、各辺が数百メートルも伸びているにもかかわらず、水分は100~150リットル未満しか含んでいないそうです。「お風呂一杯分ぐらいしかない」と、ジェームズ・トレフィルは言っています。雲がどんなに大げさなものかを知りたければ、霧の中を歩いてみるといいでしょう。霧は、遠くまで行こうとしない雲に過ぎないんですから。トレフィルの言葉を引用すると、「普通の霧の中を91メートル歩いても、約8立方センチメートルの水しか接触しない。それは、十分に飲むことさえできない量だ」。だから、雲は大きな貯水池ではないんです。常に、地球上の淡水の約0.035%だけが、私たちの頭上に浮かんでいるんです。
水分子の運命は、どこに落ちるかによって大きく異なります。肥沃な土壌に落ちた場合は、植物に吸収されるか、数時間または数日以内に再び直接蒸発します。しかし、地下水に入った場合は、何年も、何千年もの間、太陽を見ることができないかもしれません。もし、湖の水を見れば、平均して10年もそこにいる分子の塊を見ていることになります。水分子が海に滞在する時間は、さらに長く、100年になる可能性が高いと考えられています。一般的に、雨が降った後、水分子の約60%は、1~2日以内に大気圏に戻ります。一旦蒸発すると、空に留まる時間は、1週間ぐらいです。そして、また雨の形で降ってきます。
蒸発は早いプロセスで、夏の日に水たまりがどうなるかを見れば簡単にわかります。水が継続的に供給されないと、地中海のような大きな海でも、1000年以内に干上がってしまう可能性があります。大陸移動によってジブラルタル海峡が塞がれたことが原因で、600万年弱前に、このようなことが起こったんです。それは、「メッシニア塩分危機」と呼ばれています。地中海が干上がると、蒸発した水蒸気は、淡水雨の形で別の海に降ってきます。それらの海の塩分を少し下げて、広い範囲が凍結するのに十分な程度まで希釈したんです。氷の範囲が広がると、太陽の熱をより多く跳ね返して、地球を氷河期に推し進めたんです。少なくとも、理論上はそうです。
私たちが知っている限りでは、地球のダイナミクスが少しでも変化すると、想像を絶する結果が生じる可能性があることは確かです。しばらくすると、私たち自身も、そのような出来事の中で誕生したのかもしれないことがわかります。
海洋は、地球の表面活動の真の原動力です。気象学者は、海洋と大気を単一のシステムと見なすようになっているため、ここで、もう少し詳しく説明します。水は、熱を蓄積し、伝達するのが得意です。想像もできないほどの大量の熱をね。メキシコ湾流は、ヨーロッパに毎日、世界全体の10年分の石炭生産量に相当する熱を送っています。カナダやロシアと比較して、イギリスやアイルランドの冬の気候が穏やかなのは、このためなんです。しかし、水は熱くなるのが遅いので、最も暑い日でも、湖やプールの中の水は冷たいんです。このため、天文学的には季節が始まっていても、実際の感覚としては、まだその季節になっていないということがよくあります。だから、北半球の春は3月に始まりますが、ほとんどの地域で春を感じ始めるのは4月になってからです。
海水は均質な全体ではありません。各地の海水の温度、塩分、深度、密度などは異なり、海水が熱を伝達する方法に大きな影響を与え、ひいては気候にも影響を与えます。例えば、大西洋は太平洋よりも塩分濃度が高く、これは良いことです。海水は塩分が多いほど密度が高く、密度が高い海水は沈みます。もし、大西洋海流が余分な塩分を負担する必要がなければ、北極地域まで推進し、北極を暖かくするでしょう。その代わりに、ヨーロッパは熱を完全に失ってしまうでしょうね。地球上の熱を伝達する主な担い手は、熱塩循環と呼ばれるものです。熱塩循環は、海洋深部の緩やかな海流から始まります。このプロセスは、科学者であり冒険家でもあった、ラムフォード伯爵が1797年に発見しました。熱塩循環という名前は、人によって意味が異なるようです。マサチューセッツ工科大学のカール・ワンシュは、2002年11月にサイエンス誌に「熱塩循環とは何か?」というタイトルの記事を発表しました。彼は、この名前が、主要な雑誌で少なくとも7つの異なる現象、例えば、海底面での対流、密度または浮力の違いによる対流、「物質が南北に反対方向に流れる対流」などを表現していると指摘しました。それらはすべて、海洋対流と熱の移動に関連しています。
状況はこうです。表面の海水がヨーロッパ付近に到着すると、密度が増加して深海に沈み、ゆっくりと南半球に戻っていく。この海水は、南極大陸に到着すると、南極周極流に出会い、太平洋に押し込まれます。このプロセスは遅く、海水が北大西洋から太平洋中央部まで流れるのに1500年かかるんですけど、運ぶ熱量と水量はかなりの量で、気候に大きな影響を与えています。
一体どうやって、水滴が、ある海から別の海へ流れるのに、どれくらいの時間がかかるか計算できるんでしょうか?その答えは、科学者は水中の混合物、例えば、フロンを測定することで、それが最後に空気に触れてからどれくらいの時間が経過したかを計算することができるんです。さまざまな深度、さまざまな場所での測定結果を比較することで、かなり正確に水の動きのルートマップを作成することができるんです。
熱塩循環は、熱を運ぶだけでなく、海流の起伏とともに、食物を攪拌する役割も果たしていて、より広範囲の海域で魚類や他の海洋動物が生息できるようになっているんです。残念なことに、熱塩循環は周囲の変化にも敏感なようです。コンピューターシミュレーションの結果によると、海洋の塩分がわずかに希釈されるだけでも、例えば、グリーンランド氷床の融解が加速化するだけでも、この循環が壊滅的に混乱する可能性があることがわかっています。
海は、私たちに、もう一つ大きな助けをしてくれています。それは、大量の炭素を吸収し、安全な場所に隠すことができることです。現在、太陽は、太陽系が形成された当初よりも約25%も強い明るさで燃焼しています。これは、私たちの太陽系の奇妙なことの一つです。したがって、地球は、もっと暑いはずなんです。実際、イギリスの地質学者、オーブリー・マニングが言ったように、「この大きな変化は、地球にとって絶対に悲惨な結果をもたらすはずでした。しかし、私たちの世界は、ほとんど影響を受けていないようです」。
では、何がこの惑星を安定させ、涼しく保っているのでしょうか?それは、生命です。空気中に二酸化炭素の形で存在する炭素が雨水とともに降ってくると、無数の小さな海洋生物がそれを捉えて、自分たちの小さな殻を作るために利用するんです。それらの生物は、ほとんどの人が聞いたこともないようなもの、例えば、有孔虫、ココリス、石灰藻などです。それらは、炭素を殻の中に閉じ込めて、炭素が再び蒸発して大気圏に入るのを防いでいます。そうしないと、炭素は危険な温室効果ガスになってしまいます。そして、有孔虫やココリスなどは死んで、海底に落ちます。圧縮されて石灰岩になるんです。もし、イングランドのドーバーの白亜のような並外れた自然の特徴を見れば、それが死んだ小さな海洋生物によって、ほぼ完全に作られていることに驚くはずです。しかし、さらに驚くべきことは、それらの生物が蓄積してきた炭素の量を知ることです。15立方センチメートルのドーバーの白亜には、1000リットル以上の圧縮された二酸化炭素が含まれています。そうでなければ、これらの二酸化炭素は、私たちにとって、全く役に立たないでしょう。全体として、地球の岩石に閉じ込められている炭素の量は、大気中の約2000倍に相当します。それらの石灰岩の大部分は、最終的に火山の原料となり、雨の形で地球に降り注ぎます。したがって、このプロセスは、長周期炭素循環と呼ばれています。このプロセスが完了するまでには長い時間がかかります。平均的な炭素原子にとっては、約50万年かかります。他の要因が干渉しなければ、これは気候を安定させるのに役立ちます。
残念なことに、人間は、この循環を、みだりに混乱させています。あたかも、有孔虫が準備ができているかどうかなど気にせずに、大量の余分な炭素を大気中に排出しているのです。推定では、1850年以降、私たちは、空気中に約1000億トンの炭素を余分に排出しました。この数字は、年間約70億トンの速度で増加しています。全体的に見れば、それは、それほど多い量ではありません。自然は、主に火山の噴火や木の腐敗によって、毎年約2000億トンの二酸化炭素を大気中に放出しています。それは、私たちの自動車や工場が排出する量の約30倍です。しかし、私たちの霧のかかった都市や、コロラド大峡谷、時にはドーバーの白亜を見れば、私たちの関与がどれほどの違いを生み出しているかがわかるでしょう。
非常に古い氷のサンプルから、大気中の二酸化炭素の自然な濃度は、つまり、私たちの産業活動が拍車をかける前の濃度は、約280ppmであることがわかっています。1958年に研究者がこの問題に注意を払い始めた時、その数字はすでに315ppmまで上昇していました。今日、その数字はすでに360ppmを超えていて、年間約0.25%の速度で上昇し続けています。予測では、21世紀末には、この数字は約560ppmになるとされています。
今のところ、地球上の海洋と森林は、炭素を大量に吸収するため、私たちが自己破壊的な運命から救い出してくれています。しかし、英国気象庁のピーター・コックスが言ったように、「臨界点がある。その時が来ると、自然の生物圏は、私たちが排出する二酸化炭素が私たち自身に与える影響を緩和できなくなり、実際には、増大するようになる」。人々は、地球温暖化の状況が急速に悪化することを懸念しています。適応できないため、多くの樹木や他の植物が枯れて、蓄積された炭素を放出し、問題をさらに悪化させるでしょう。このような循環は、遠い過去にも時々起こったことがあります。人間が関与しなくてもね。しかし、そのような状況になっても、自然は奇跡を起こしているという朗報もあります。ほぼ確実に、炭素循環は最終的に復活し、地球に安定した美しい環境をもたらしてくれるでしょう。前回、このようなことが起こった時は、わずか6万年しかかかりませんでした。
ふう、ちょっと長くなっちゃったけど、今日はこの辺で。また次回、お会いしましょう!