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Calculating...

えー、皆さん、こんにちは。今回はですね、宇宙について、ちょっとお話してみたいな、と。まあ、簡単に言うと、太陽系探検みたいな感じですかね。

天文学者って、最近本当にすごいですよね。月でマッチに火をつけたら、それが見えるんですよ!信じられます?遠くの星の、もう、ほんのわずかな動きとか、揺れから、その星の大きさとか性質、ひいては、生命が住める可能性まで推測できるっていうんですからね。しかも、そういう星って、めちゃくちゃ遠いんですよ。宇宙船で行っても、250万年かかるような距離ですよ、皆さん。

電波望遠鏡もすごいんです。宇宙から来る、もう、本当に微弱な電波をキャッチできるんですよ。どれくらい微弱かって言うと、1951年から集め始めた、太陽系の外からのエネルギーを全部合わせても、カール・セーガンが言うには、「雪の結晶がひとつ落ちる時に発生するエネルギーにも満たない」んだそうです。いや、もう、想像を絶しますよね。

つまり、天文学者って、本気を出せば、宇宙のほとんどの事は発見できるってことですよ。だからこそ、1978年まで、誰も冥王星の衛星に気が付かなかったっていうのが、ちょっと不思議じゃないですか?

その年の夏、アメリカ海軍天文台の、ジェームズ・クリスティーっていう若い天文学者が、冥王星の写真を、こう、ルーチンワークで調べてたんですよ。そしたら、そこに何かあることに気が付いたんです。ぼやけてて、はっきりしないんだけど、とにかく、冥王星じゃない何かが写ってる、と。

で、ロバート・ハリントンっていう同僚と、ちょっと、こう、話して、結論を出したんです。「これ、衛星だ」って。しかも、普通の衛星じゃない。その惑星、つまり冥王星に対して、太陽系で一番大きい衛星だったんですって。

これがね、実は、冥王星の惑星としての地位に、ちょっと、こう、ダメージを与えたんですよ。もともと、冥王星の地位って、あんまり盤石じゃなかったんですよね。その衛星が、冥王星とほとんど同じくらいのスペースを占めてるってことは、冥王星が、誰が想像してたよりも、ずっと小さいってことなんです。水星よりも小さいんですよ!太陽系の、地球の月も含めた、7つの衛星が、冥王星よりも大きいんですって。

ここで、当然、皆さん疑問に思いますよね。「なんで、自分たちの太陽系の衛星を見つけるのに、そんなに時間がかかったんだ?」って。それはね、天文学者が、望遠鏡をどこに向けて、何を観測しようとしてたかっていうことと、あと、冥王星自体にも関係があるんです。

一番大事なのは、やっぱり、どこに望遠鏡を向けてたかってことですね。クラーク・チャップマンっていう天文学者が言うには、「多くの人が、天文学者は夜になると天文台に行って、空をくまなく探してると思ってるけど、それは違うんです。世界のほとんどの望遠鏡は、遠くの宇宙にある、ものすごく小さなものを観測するために作られてるんです。クエーサーを観測したり、ブラックホールを探したり、遠い銀河を観察したり。本当に空をくまなく探査するために作られた望遠鏡ネットワークは、軍によって設計、製造されたものなんです。」

あと、私たちは、アーティストが描くイメージに、ちょっと、こう、悪い意味で影響を受けてるんですよね。天文学の世界では、あんなに鮮明な画像って、ありえないんですよ。クリスティーの写真に写ってた冥王星は、暗くて、ぼやけてて、宇宙の綿ぼこりみたいな感じだったんです。衛星もね、ナショナルジオグラフィックに出てくるような、背景が明るくて、ロマンチックで、輪郭がはっきりした、冥王星の隣にある球体なんかじゃなくて、小さくて、ものすごくぼやけた塊だったんです。実際、そのボヤけのせいで、人々がその衛星を再び見つけて、独立した存在だと確認するまでに、7年もかかったんですからね。

クリスティーの発見には、ちょっとした、こう、面白い偶然もあるんですよ。それは、冥王星が初めて発見されたのと同じ場所、アリゾナ州のフラッグスタッフで発見されたってことなんです。この天文学的な大発見は、パーシヴァル・ローウェルっていう天文学者のおかげなんですよ、大部分は。

ローウェルはね、ボストンで一番古くて、一番裕福な家族に生まれたんです。(ボストンは、豆とタラの土地っていう歌があるんですけど、その歌に出てくる家族ですよ。ローウェル家は、キャボット家としか話さなくて、キャボット家は神様としか話さない、っていう歌詞があるんですけどね。)彼は、自分の名前を冠した、有名な天文台を寄贈したんですけど、人々が一番覚えているのは、彼の「火星には、勤勉な火星人が作った運河があちこちにある」っていう考えなんですよね。その運河に、極地の水を貯めて、赤道付近の乾燥してて、でも、肥沃な土地を灌漑してるんだ、と。

ローウェルの、もうひとつの忘れられない考えは、「海王星よりも遠い場所に、まだ発見されていない、9番目の惑星がある」っていうことでした。彼は、その惑星に「惑星X」って名前を付けたんです。ローウェルの、この考えは、彼が天王星と海王星の軌道に見つけた、ちょっとした、こう、不規則な動きに基づいていたんです。それで、彼は人生の最後の数年間を、その巨大ガス惑星を探すことに費やしたんです。彼は、絶対にそこにあるって信じてました。

残念ながら、彼は1916年に、突然亡くなってしまったんです。少なくとも、ある程度は、探査活動の過労が原因だったみたいですね。ローウェルの遺産を巡って、相続人たちが大喧嘩を始めたので、探査活動は一時中断されたんです。しかし、1929年、ある程度は、火星の運河伝説から世間の目をそらすために(当時、それは、もう、本当に恥ずかしいことになっていたんです)、ローウェル天文台の責任者は、探査を再開することを決めて、そのために、カンザス州からクライド・トンボーっていう若い男性を雇ったんです。

トンボーはね、天文学者になるための特別な訓練は受けてなかったんですけど、勤勉で賢かったんです。1年間の探査の後、彼はついに、ぼんやりとした光の点を見つけたんです。それが、冥王星だったんです。それは、もう、奇跡的な発見でした。さらに注目すべきは、その発見が、ローウェルの観測結果が間違っていたことを証明したってことなんです。ローウェルは、理解できる範囲で、その観測結果に基づいて、海王星よりも遠い場所に惑星が存在することを予測していたんです。トンボーはすぐに、その新しい惑星が、ローウェルが予想していたような巨大なガス惑星ではないことに気が付いたんです。でも、その新しい惑星の性質について、彼や他の人が持っていた、どんな、こう、留保も、熱狂的な興奮の中で、すぐに吹き飛ばされてしまったんです。当時は、ちょっとしたニュースでも、人々を興奮させた時代だったんですよね。冥王星は、アメリカ人が初めて発見した惑星だったんです。それが、遠くにある氷の粒に過ぎないって言う人もいましたけど、誰もそんな考えに気を取られませんでした。それは、冥王星と名付けられました。少なくとも、ある程度は、その最初の2つの文字が、ローウェルの名前の頭文字を組み合わせたものだったからなんです。すでに亡くなっていたローウェルは、一流の天才としてあちこちで称賛されました。一方、トンボーは、惑星を研究する天文学者たちの間では、尊敬の念を抱かれていたものの、ほとんど忘れ去られてしまったんです。

現在、一部の天文学者は、冥王星のさらに外側に、惑星Xがあるかもしれないと考えています。それは、本物の巨大惑星で、もしかしたら、木星の10倍もの大きさがあるかもしれません。ただ、それが、あまりにも遠いので、私たちには見えないだけなんです。(太陽の光が当たるのが少なすぎて、ほとんど光を反射しないんです。)彼らは、それが、木星や土星のような普通の惑星ではないと考えています。それは、あまりにも遠すぎるので、そうではないはずです。私たちは、それが、約7兆2000億キロメートルも離れている可能性があると推測しています。そして、それは、形成されなかった太陽に、もっと、こう、近いものだろう、と。宇宙にあるほとんどの恒星系は、連星系なんです。(二つの星がペアになっている状態ですね。)そのせいで、私たちの太陽が、孤独な星に見えるのは、ちょっと、こう、奇妙なんです。

冥王星自体については、誰も、それがどれくらいの大きさなのか、何でできているのか、どんな大気を持っているのか、そもそも、それが何なのかさえ、よく分かっていないんです。多くの天文学者は、それが、惑星と呼ぶにはふさわしくないと考えています。それは、私たちが銀河の瓦礫帯、(カイパーベルトと呼ばれてますね。)で見つけた、最大の物体に過ぎないっていうんです。(2006年8月24日にプラハで開催された国際天文学連合の大会で、世界の天文学界が長年議論してきた問題がついに決着しました。大会に出席した世界各国の2500人の天文学者は、太陽系の惑星に関する新しい定義を採択し、冥王星を惑星として定義しないことを決定しました。これにより、冥王星は惑星の仲間から外されたんです。惑星の定義は、「太陽の周りを公転し、自身の重力が剛体力に打ち勝つほど十分な質量を持って球形であり、その軌道近くの他の物体を一掃できる天体」です。冥王星は、矮惑星に分類されました。矮惑星の定義は、「同じように十分な質量を持ち、球形であるが、その軌道近くの他の物体を一掃できない天体」です。太陽の周りを公転するが、惑星や矮惑星の条件を満たさない他の物体は、すべて「太陽系小天体」と呼ばれます。)カイパーベルト理論は、実は、1930年に、F.G.レナードっていう天文学者が提唱したんです。彼は、その名前を、アメリカで働いていたオランダ人、ジェラルド・カイパーにちなんで名付けました。カイパーが、この理論を発展させたんですね。カイパーベルトは、いわゆる短寿命彗星の源泉なんです。ちょくちょく、こう、一瞬光る星のことですね。その中で一番有名なのは、ハレー彗星です。長寿命の彗星、(最近来たヘール・ボップ彗星とか、百武彗星とかがありますね。)は、遥かに遠いオールトの雲からやってくるんです。これについては、後で詳しくお話しますね。

冥王星の動きが、他の惑星とは全く違うっていうのは、確かだと思いますよ。小さいし、ぼやけてるし、動きも不安定だし。100年後には、冥王星がどこにあるか、誰にも分からないんです。他の惑星は、だいたい同じ平面上を回ってるんですけど、冥王星の軌道は、傾いてるんです。(そう見えるんです。)他の惑星と同じ平面上にはなくて、17度の角度をつけてるんです。まるで、誰かが帽子を、ちょっと、こう、かっこよく斜めに被ってるみたいにね。その軌道は、すごく不規則で、太陽の周りを回る中で、かなり長い間、海王星よりも私たちに近い位置にいるんです。実際、1980年代から90年代にかけてのほとんどの間、海王星が、太陽系で一番遠い惑星だったんです。1999年2月11日になって、ようやく冥王星が外側の軌道に戻って、それから、228年間そこに留まることになってます。

だから、もし冥王星が本当に惑星だとしたら、すごく奇妙な惑星ってことになりますよね。小さくて、地球の400分の1の大きさしかないんです。もし、それをアメリカの上に重ねたとしたら、アメリカ本土48州の半分も覆えないんですよ。それだけでも、すごく異常に見えますよね。それは、私たちの惑星系が、4つのしっかりした内惑星、4つのガス状の外惑星、そして、孤独な小さな氷の塊で構成されていることを示してるんです。

さらに、問題はまだあります。クリスティーが冥王星の衛星を発見した後、天文学者は、宇宙のこの部分を、もっと、こう、注意深く観察し始めたんです。2002年の12月初めまでに、天王星の外側に、600以上の物体が発見されました。そのうちの1つは、バルーナっていう名前で呼ばれてて、冥王星の衛星と、ほぼ同じくらいの大きさなんです。天文学者は、おそらく、数十億個もの、こういう物体が存在すると考えています。難しいのは、それらの多くが、暗くてぼやけているってことなんです。一般的に、それらの反射率は、わずか4%なんです。これは、木炭の反射率とほぼ同じです。もちろん、これらの「木炭」は、60億キロメートル以上も離れた場所にあるんですけどね。

これって、どれくらい遠いんでしょうね?ほとんど想像もできないですよね。ほら、宇宙って、めちゃくちゃ広いんですよ!もう、本当に、めちゃくちゃ広いんです。理解して、楽しむために、ロケットで旅に出かけることを想像してみましょう。私たちは、あまり遠くへは行きません。自分たちの太陽系の端まで、ほんの少しだけです。でも、まず、宇宙がどれほど広い場所で、私たちがどれほど小さな部分を占めているのかを理解する必要があります。

うーん、残念なお知らせがあります。私たちは、晩御飯のために家に帰ることはできません。光の速度、(秒速30万キロメートル)で進んでも、冥王星に到達するまでには、7時間もかかるんです。そして、もちろん、私たちは、そんな速度で移動することはできません。私たちは、宇宙船の速度で進むしかありません。この速度は、すごく遅いんです。人間が作った物体の中で、到達できる最高速度は、ボイジャー1号とボイジャー2号の宇宙船の速度なんです。それらは現在、時速5万6000キロメートルの速度で、私たちから遠ざかっています。

当時、(1977年の8月と9月)ボイジャー号が打ち上げられたのは、木星、土星、天王星、海王星が一直線に並んだからなんです。この現象は、175年に一度しか起こりません。これにより、2隻のボイジャー号は、「重力アシスト」技術を使って、宇宙のムチのように、1つの巨大ガス惑星から次の巨大ガス惑星へと、連続的に弾き飛ばされることができたんです。それでも、天王星に到達するまでに9年かかり、冥王星の軌道を越えるまでに12年かかったんです。

良いニュースは、もし、私たちが2006年1月まで待てば、(これは、NASAが暫定的に冥王星に向けてニューホライズンズ宇宙船を打ち上げる予定だった時期です。)有利な木星の位置を利用して、いくつかの高度な技術を使えば、わずか10年ほどでそこに到着できるかもしれないってことです。でも、再び家に帰るには、かなりの時間がかかるでしょうけどね。

いずれにしても、それは、長い旅になるでしょう。

最初に気づくのは、宇宙っていう名前が、すごく、こう、しっくりくるってことですよね。宇宙は、退屈な場所なんです。何兆キロメートルもの範囲内で、最も活気に満ちているのは、私たちの太陽系なんです。そして、見えるものすべて、太陽、惑星、その衛星、小惑星帯にある数億個の転がる岩、彗星、その他、さまざまな浮遊する破片は、現在の空間の1兆分の1にも満たないんです。

すぐに気づくのは、あなたが見ている太陽系の図が、まったく縮尺どおりに作られていないってことです。教室にあるほとんどの図では、惑星が互いに非常に近くに並んでいて、多くの図では、外側の巨大惑星の影が、実際には互いに重なり合っています。でも、すべての惑星を1枚の紙に収めるためには、このごまかしは不可欠なんです。海王星は、実は、土星のすぐ外側にあるわけではありません。土星よりも、はるかに遠い場所にあります。それは、私たちから土星までの距離の5倍も離れた場所にあります。それほど遠い場所では、土星の3%の太陽光しか受けられません。

実際、距離があまりにも遠いので、どうあがいても、太陽系の図を縮尺どおりに描くことは不可能です。教科書に何枚も折り込みページを追加したり、ものすごく長いスローガン用紙を使ったりしても、縮尺に近づくことはできません。縮尺どおりの太陽系の図では、地球の直径を約1つの豆の直径まで縮小すると、土星は300メートル以上離れた場所にあり、冥王星は2.5キロメートル離れた場所にあります。(これは、細菌くらいの大きさなので、どうやっても見えません。)同じ縮尺で、私たちに一番近い恒星、プロキシマ・ケンタウリは、1万6000キロメートル離れた場所にあります。すべてをさらに縮小して、土星を英文の句点くらい小さくし、冥王星を分子の大きさ以下にしたとしても、冥王星は、依然として10メートル以上離れた場所にあります。

だから、太陽系は、本当に巨大なんです。冥王星に到着する頃には、私たちは、もう、すごく遠くまで来てしまっているので、太陽、(暖かくて、日焼けさせてくれて、私たちに生命を与えてくれる、愛する太陽)が、針の先くらいの大きさに縮小してしまっています。それは、明るい恒星と、ほとんど変わらない大きさです。こんなに寒々しい空間では、冥王星の衛星のような、最も重要な物体でさえ、人々の目に触れずにいた理由が理解できるようになります。この点では、冥王星だけではありません。ボイジャー探査の前に、海王星には2つの衛星しかないと思われていましたが、ボイジャーはさらに6つの衛星を発見しました。私が子供の頃は、太陽系には30個の衛星しかないと思われていました。現在の衛星の総数は、少なくとも60個に達しています。そのうち、少なくとも3分の1は、ごく最近の10年間に発見されたものです。宇宙全体を考える際には、実は、自分たちの太陽系のすべてを把握しているわけではないことを覚えておく必要があります。

さて、冥王星を通過する際に、もう一つ気づくことがあります。それは、私たちが冥王星を通過しているってことです。旅行の計画を調べれば、今回の旅行の目的地が、太陽系の端であること、そして、まだそこに到達していないことが分かると思います。冥王星は、教室の壁に貼ってある地図に描かれた最後の物体かもしれませんが、太陽系は、そこで終わりではありません。実際には、終点までは、まだまだ遠いんです。太陽系の端に到達するには、彗星が漂う広大な宇宙、オールトの雲を通過する必要があります。そして、私たちは、(残念ながら)オールトの雲に到達するまでには、さらに1万年もかかるんです。冥王星は、教室の地図が示唆しているように、太陽系の外縁の目印などではありません。それは、5万分の1の地点に過ぎないんです。

もちろん、私たちは、そんな旅行をするつもりはありません。38万6000キロメートル離れた月への旅行をすることさえ、私たちにとっては、依然として素晴らしい出来事なんです。ブッシュ大統領は、一時的に気が狂って、有人火星探査ミッションを実行すると言い出しましたが、その後、立ち消えになりました。ある人が試算したところ、これには4500億ドルの費用がかかり、最終的には、乗組員全員が命を落とす可能性が高いとのことです。(彼らは、高エネルギーの太陽粒子を防ぐことができず、DNAがずたずたに引き裂かれるからです。)

現在の知識と理知的な想像力に基づいて考えると、誰も、自分たちの太陽系の端に行くことは絶対にないでしょう。あまりにも遠すぎるからです。実際、ハッブル望遠鏡を使っても、オールトの雲を見ることはできないので、私たちは実際に、それがどこにあるのかさえ知りません。その存在は、可能性としては考えられますが、完全に仮説に過ぎません。(注:正式名称は、エールト・ヤン・オールトとエストニアの天文学者エルンスト・エピックにちなんで命名されました。エピックが1932年にその存在を仮定し、オールトが18年後に計算結果を完成させました。)

オールトの雲について、確かなことは、それくらいしか言えません。それは、冥王星の外側から始まり、宇宙に向かって約2光年伸びています。太陽系の基本的な計量単位は、天文単位(AU)で、太陽と地球間の平均距離を表します。冥王星は、私たちから約40天文単位離れており、オールトの雲の中心は、私たちから約5万天文単位離れています。一言で言うと、それは、すごく遠いんです。

でも、もう一度仮定してみましょう。私たちは、オールトの雲に到達しました。最初に気づくのは、そこが、すごく静かだということです。今、私たちは、どこからも、すごく遠くにいます。自分たちの太陽から、あまりにも遠くにいるので、それは、空で一番明るい星とさえ言えません。考えてみてください。遠くで点滅している小さな光点が、とても小さいのに、これらすべての彗星を引き留めるのに十分な引力を持っているなんて、信じられないですよね。その引力は、それほど強くないので、これらの彗星は、信じられないくらいゆっくりと移動しています。速度は、時速約354キロメートルに過ぎません。引力のわずかな摂動、(おそらく、通り過ぎる恒星のせいでしょう。)によって、これらの孤独な彗星のうち、時々、1つが通常の軌道から外れてしまいます。時には、それらは、何もない空間に弾き飛ばされて、二度と姿を現しません。でも、時には、それらは、太陽の周りを回る長い軌道に入るんです。毎年、約3つか4つの、そのような彗星、いわゆる長寿命彗星が、太陽系の内側を通過します。これらの迷い込んだ訪問者は、たまたま硬いもの、たとえば、地球に衝突することがあります。それが、私たちが今ここにいる理由です。私たちが見ている彗星は、太陽系の中心に向かって、長い落下を始めたばかりだからです。こんなにたくさんの場所があるのに、その方向は、なぜか、アイオワ州のマンションなんです。そこに到達するまでには、長い時間がかかります。少なくとも、300万年から400万年かかります。だから、とりあえず、それを置いておいて、この本の終わりに近づいたら、また話し合うことにしましょう。

これが、あなたがいる太陽系です。太陽系の外には、何があるのでしょうか?うーん、何もないかもしれませんし、たくさんのものがあるかもしれません。それは、あなたが、この問題をどう見るかによって異なります。

短期的には、何もありません。人間が作った最高の真空でさえ、星間空間ほど空っぽではありません。

そこには、大量の、こういう「空っぽ」があります。次に「何かがある」場所に到着するまで続きます。宇宙で私たちに一番近い隣人は、プロキシマ・ケンタウリです。それは、4.3光年離れた場所にある、アルファ・ケンタウリっていう名前の、三連星系の構成要素です。銀河の用語では、ほんのわずかな時間ですが、それでも、月への旅行よりも1億倍も遠いんです。宇宙船で行くには、少なくとも2万5000年かかります。たとえ、本当に旅行したとしても、どこにも到達できず、広大な空間の真ん中に、孤独な星の塊がぶら下がっているのを見るだけです。次に意味のあるランドマーク、シリウスに到着するには、さらに4.6光年かかります。だから、もし、あなたが「越星」の方法で、宇宙を横断したいと思っているなら、状況は、こうなるでしょう。自分たちの銀河系の中心に到達するだけでも、私たち人間としての存在よりも、はるかに長い時間がかかるんです。

もう一度繰り返しますが、宇宙は巨大なんです。恒星間の平均距離は、30兆キロメートルを超えています。たとえ、光の速度で行っても、それは、旅行をしたいと思っている個人にとっては、非常に困難な距離です。もちろん、笑い話として、エイリアンが何十億キロメートルも旅して、ウィルトシャーに作物を植えたり、アリゾナ州の交通量の少ない道路にやってきて、走行中の小型トラックの運転手を恐怖に陥れる可能性はありますが、そんなことは、決して起こらないように思えます。

でも、統計的な観点から見ると、外層空間に、知的な生物が存在する可能性は、依然として非常に高いんです。銀河系に、どれだけの恒星があるのかは、誰にも分かりません。1000億個から4000億個と推定されています。そして、銀河系は、約1400億個の銀河のうちの1つに過ぎず、他の多くの銀河は、私たちの銀河よりも大きいんです。1960年代、コーネル大学のフランク・ドレイク教授は、その巨大な数字に触発されて、一連の縮小し続ける可能性に基づいて、宇宙に高度な生命が存在する可能性を計算することを目的とした、有名な方程式を考え出しました。

ドレイクの方程式に従って、宇宙のある部分にある恒星の数を、恒星が惑星系を持つ可能性のある数で割ります。次に、その商を、理論的に生命が存在できる惑星の係数で割ります。次に、その商を、すでに生命が出現し、生命が知的な状態にまで進化した惑星の係数で割ります。このように割るたびに、その数字は大幅に小さくなります。でも、最も保守的な入力をしても、銀河系だけで、導き出される高等文明社会の数は、常に数百万個になるんです。

この考えは、なんて面白いんでしょう、なんてエキサイティングなんでしょう。私たちは、数百万個の高等文明社会の1つに過ぎないのかもしれないんです。

残念なことに、宇宙は広大で、推定によると、2つの文明社会間の平均距離は、少なくとも200光年です。あなたが明確に理解できるように、そう言うだけでは不十分なので、もっと説明する必要があります。まず、それは、たとえ、それらの生物が、私たちがここにいることを知っていて、望遠鏡で私たちを見ることができたとしても、彼らが見ているのは、200年前に地球を離れた光に過ぎないってことを意味します。だから、彼らは、あなたと私を見ているわけではありません。彼らは、フランス革命、トーマス・ジェファーソン、そして、絹の靴下を履いて、カツラをかぶった人々を見ています。原子とは何か、遺伝子とは何かを知らない人々、毛皮で琥珀の棒をこすって電気を起こし、それを面白いと思っている人々です。私たちが、これらの観測者から電報を受け取ったとしても、それは、おそらく、「親愛なる皆さん」から始まり、駿馬を引いて、鯨油を上手に使えることを祝福する内容でしょう。200光年とは、あまりにも遠い距離なので、想像することさえできません。

だから、たとえ、私たちが、実は孤独ではないとしても、実際には、私たちは、やはり孤独なんです。カール・セーガンは、宇宙には、生命が存在する可能性のある惑星が、100万兆兆個もある可能性があると推定しました。この数字は、私たちの想像力をはるかに超えています。でも、同様に私たちの想像力を超えているのは、それらが散らばっている宇宙の範囲です。「もし、私たちが、宇宙に無作為に押し込まれたとしたら、あなたが惑星の上または近くにいる可能性は、10億兆兆兆分の1(つまり、10のマイナス33乗)にも満たないでしょう。世界は貴重なんです。」と、セーガンは書いています。

だから、これは良いニュースかもしれません。1999年2月、国際天文学連合は、正式に、冥王星を惑星であると裁定しました。宇宙は、広くて孤独な場所なんです。私たちには、できるだけ多くの隣人が必要なんです。

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