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えー、今回は、自分のソーシャルベースライン、まあ、今の人間関係の状態を把握して、これからどこを重点的に改善していけばいいのかっていうのを考えるための簡単なエクササイズを紹介しようかなと思ってます。これはね、ロバート・ウォールディンガーさんとマーク・シュルツさんっていう方が書いた『The Good Life』っていう本に紹介されてるエクササイズをちょっとアレンジしたものなんですけどね。
具体的には、3つのステップで進めていきます。
まず、ステップ1は、中心となる人間関係のリストを作るってこと。これは、家族とか、友達とか、パートナー、それから職場の同僚とか、まあ、自分の人生の中で重要な役割を占めている人間関係をリストアップするんです。大体の人はね、10人から15人くらいになるんじゃないかな。多い人だと25人くらいになる人もいるかもしれないですね。
で、ステップ2は、リストアップしたそれぞれの人間関係について評価するってこと。具体的には、次の2つの質問を自分に問いかけてみてください。
まず1つ目。「その関係は、支えになる関係ですか?それとも、どっちつかずの関係ですか?それとも、見下してくるような関係ですか?」っていう質問。
ここで、それぞれの言葉の意味をちょっと明確にしておきましょう。
「支えになる関係」っていうのは、お互いに思いやりがあって、愛情があって、尊敬し合っていて、安心できるような関係のこと。
「見下してくるような関係」っていうのは、支えになる関係の要素が全くなくて、自分の価値を貶めるような言動が目立つ関係のことですね。
で、「どっちつかずの関係」っていうのは、支えになる部分と見下してくる部分が、時々によって混ざり合っているような、一貫性のない関係のことです。
意外かもしれないけど、研究によると、一番ダメージが大きいのは、見下してくる関係よりも、このどっちつかずの関係なんだそうです。例えば、ある研究では、参加者が、良い感情と悪い感情が混ざった相手と接した後の方が、完全にネガティブな感情を抱く相手と接した後よりも、血圧が高くなるっていう結果が出てるんですね。この一貫性のなさが、心身に悪影響を及ぼすってことなんです。
多分、皆さんもね、こういう経験あるんじゃないかな。普段は愛情やサポートをしてくれるのに、時々、批判的だったり、見下してくるようなことを言ってくる人。そういう人に対しては、愛情があるからこそ、心を開いて、受け入れてしまう。だからこそ、後で批判されたり、見下されたりすると、余計に傷ついてしまうんですよね。ベストセラー作家のアダム・グラントさんも、ニューヨークタイムズのコラムで、「最も有害な関係は、完全にネガティブな関係ではない。ポジティブな要素とネガティブな要素が混ざった関係だ」って書いてますね。
で、ステップ3は、評価した人間関係をマップにマッピングするってこと。これは、縦軸と横軸があるシンプルな2×2の表を使うんです。横軸は「人間関係の健全度」で、左に行くほど「見下してくる」、右に行くほど「支えになる」っていうように設定します。縦軸は「人間関係の頻度」で、下に行くほど「稀」、上に行くほど「毎日」っていうように設定します。
で、リストアップした人間関係を、このマップに当てはめていくわけです。それぞれのゾーンの意味合いはこんな感じ。
まず、「グリーンゾーン」は、頻繁に会うし、すごく支えになる関係。この関係は、最優先で大切にして、現状を維持するように心がけましょう。
次に、「機会ゾーン」は、すごく支えになるんだけど、会う頻度は低い関係。この関係は、もっと頻繁に会えるように工夫してみましょう。
それから、「危険ゾーン」は、頻繁に会うんだけど、どっちつかずの関係。この関係は、会う頻度を減らすか、相手とのコミュニケーションを見直して、支え合う関係に近づけるように努力しましょう。
最後に、「レッドゾーン」は、頻繁に会うし、見下してくる関係。この関係は、会う頻度を減らすか、思い切って関係を断ち切ることも検討しましょう。
参考までに、僕が初めてこのエクササイズをやってみた時の結果をシェアしますね。
「グリーンゾーン」には、ありがたいことに、頻繁に会うし、すごく支えになる関係がいくつかありました。こういう関係は、これからも大切にして、感謝の気持ちを伝えるように心がけていきたいですね。
「機会ゾーン」には、10個以上の関係がありました。昔の友達とか、仕事仲間とか、家族の中にも何人かいましたね。このグループとは、グループ旅行を企画したり、ちょっとした連絡(テキストとか電話とか)を頻繁に取るようにして、意識的に会う頻度を増やしました。
「危険ゾーン」には、3つの関係がありました。頻繁に会うんだけど、どっちつかずの関係ですね。そのうちの1つの関係については、相手(家族の一人)に、自分の気持ちを直接伝えました。「こういうことをされると、見下されているように感じる」って。率直に話し合った結果、相手の態度が改善されて、今では「グリーンゾーン」に近づきつつあります。残りの2つの関係については、会う頻度を減らした結果、「危険ゾーン」から抜け出すことができました。
「レッドゾーン」には、1つの仕事上の関係がありました。ビジネスパートナーの一人だったんですが、頻繁に会うし、見下してくるような人だったんです。この関係の性質を明確に認識した上で、そのビジネスから段階的に撤退することを決断しました。6ヶ月かけて、撤退が完了した後は、見下される頻度が大幅に減りましたね。
こんな感じで、人間関係マップが完成したら、自分の人生に一番エネルギーを与えてくれる、価値を生み出してくれる、心の豊かさをもたらしてくれる関係に焦点を当てて、大切にしていきましょう。
ちなみに、この人間関係マップは、固定的なものではなくて、常に変化していくものだってことを覚えておいてください。人間関係はマップ上を移動するし、人生の段階が変わるにつれて、新しい人が加わったり、去っていく人もいるでしょう。だから、定期的にこのエクササイズを繰り返してみることをおすすめします。はい、今回はこんな感じで終わりたいと思います。