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ええと、今回はですね、「ライフ・レザー」っていうテーマでお話ししていこうかなと思います。

きっかけは、アポロ13号の映画なんですよ。あの映画、見たことあります?1970年に打ち上げられたアポロ13号が、宇宙で酸素タンクが爆発して、地球に帰還するのが本当に困難になったっていう、実話に基づいた話なんですけどね。

映画の中で、宇宙船が大気圏に突入するシーンがあるんですよ。角度が浅すぎると、宇宙空間に跳ね返されちゃうし、深すぎると燃え尽きてしまう。まさに、生死を分ける瀬戸際ですよね。

そこで、ジム・ラヴェルっていう船長が、地球を目標に手動でエンジンを噴射するっていう作戦を提案するんです。「地球を窓の中に捉え続けて、手動で操縦すれば、なんとかなる!」って。

結果的に、その作戦は成功して、宇宙飛行士たちは無事に地球に帰還するんですけどね。でも、このシーンから得られる教訓は、映画とか宇宙とか科学とか、そういうことだけじゃないんですよ。もっと深いところにあるんです。

哲学の世界では、「レザー」っていうのは、不必要な説明とか行動をそぎ落とすための原則のことを言うんです。つまり、物事をシンプルにするための考え方、みたいな感じですね。

例えば、「オッカムの剃刀」っていう有名なものがありますよね。これは、「一番単純な説明が、たいていの場合、正しい」っていう考え方なんです。シンプル・イズ・ベスト、ってやつですね。

あとは、「ハンロンの剃刀」っていうのもあります。「悪意で説明できることを、決して無能で説明してはならない」っていう、ちょっと皮肉めいた格言ですね。

そして、「ヒッチンズの剃刀」。「証拠なしに主張されたことは、証拠なしに否定できる」っていう、議論で無駄な時間を費やさないための原則ですね。

で、アポロ13号の話に戻ると、あの時の「地球を窓の中に捉え続ける」っていう行動が、まさに「レザー」だったわけですよ。混乱の中で、たくさんの変数がある中で、宇宙飛行士たちは、シンプルで明確な目標を見つけた。それが、複雑な手動修正をシンプルにするための指針になったんですね。

これって、私たちの人生にも当てはまると思うんですよ。

人生には、いろんなチャンスとか試練とか、複雑な問題が必ずやってきますよね。新しい仕事に誘われたり、大切な人を亡くしたり、仕事を失ったり、家族が病気になったり、人間関係で悩んだり…。

そういう時に、何が大切なのかを見失ってしまうことって、ありますよね。そんな時にこそ、「ライフ・レザー」が必要なんです。

「ライフ・レザー」っていうのは、あなた自身の軸となる考え方、判断基準のことです。それがあれば、迷いや不安を乗り越えて、自信を持って人生を歩んでいくことができる。

例えば、Netflixの共同創業者であるマーク・ランドルフさんっていう人がいるんですけど、彼は「火曜日の夜は、必ず家族と夕食をとる」っていうルールを、ずっと守り続けているそうなんです。

どんなに忙しくても、火曜日の午後5時には仕事を切り上げて、奥さんと映画を見に行ったり、夕食を食べに行ったりするんですって。

彼にとって、それは単なる夕食じゃなくて、自分の価値観を象徴する儀式なんですね。家族や友人、社員に対して、「自分にとって何が大切なのか」を伝えるためのメッセージなんです。

奥さんは、彼が自分との関係を大切に思っていることを感じて、より愛情を深める。子供たちは、両親の絆を見て、安心感を得る。社員たちは、彼の家族に対する姿勢を見て、自分のワークライフバランスを考えるきっかけになる。

たった一つの行動が、周りに良い影響を与えていくんですね。

マーク・ランドルフさんは、「火曜日の夕食を絶対に欠かさない男」っていうアイデンティティを持っているんです。だから、何か新しい問題が起こった時に、「火曜日の夕食を絶対に欠かさない自分なら、どうするだろう?」って考えるんです。

それが、「ライフ・レザー」の力なんです。

じゃあ、あなた自身の「ライフ・レザー」を見つけてみましょう。

「私は、〇〇な人間である」っていう文章を完成させるんです。

「コントロール可能であること」「良い影響を与えること」「自分のアイデンティティを定義すること」この3つの要素を満たすものが、あなたの「ライフ・レザー」になります。

例えば、私の場合、「息子のスポーツチームのコーチをする」っていうのが、「ライフ・レザー」なんです。

自分で時間をコントロールできるし、息子との関係を深めることができるし、家族や仕事仲間にも良い影響を与えることができる。そして、「息子のスポーツチームのコーチをする父親」っていうのが、私の理想の父親像なんです。

だから、仕事で新しいチャンスが巡ってきた時に、「息子のスポーツチームのコーチをする自分なら、どうするだろう?」って考えるんです。

そうすると、お金や名誉よりも、家族との時間を大切にしたいっていう気持ちが強くなる。

あるいは、家族に問題が起きた時に、「息子のスポーツチームのコーチをする自分なら、どう立ち向かうだろう?」って考えるんです。

そうすると、問題を放置せずに、家族のために立ち上がろうっていう気持ちになる。

「ライフ・レザー」は、人生の羅針盤のようなもの。それがあれば、どんな困難も乗り越えて、自分らしく生きることができる。

ぜひ、時間をかけて、自分自身の「ライフ・レザー」を見つけてみてください。そして、それを常に意識して、人生を歩んでいってください。

「私は、〇〇な人間である」

さあ、あなたは何を入れますか?

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