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Calculating...

えーっと、今回は、なんだっけ?ステータスを巡る話、みたいな感じかな。で、キーになるのは「獲得したステータス」っていうやつらしい。

昔ね、18世紀のフランスにドゥニ・ディドロっていう哲学者がいたんだって。頭のいい人だって評判だったんだけど、お金持ちってわけじゃなかったんだよね。本人もあんまり気にしてなかったみたいなんだけど、娘さんの結婚の時に持参金を用意できなくて、初めてお金がないことを痛感したらしいんだ。

でも、幸運なことに、ディドロの才能を認めていた人がたくさんいて、その中にロシアのエカチェリーナ2世がいたんだよね。彼女はディドロの経済的な困窮を知って、彼の蔵書を買い上げることにしたんだ。しかも、彼女の個人的な司書として雇って、高給を支払うって申し出たんだって。すごいよね。

それで、ディドロはお金持ちになったんだけど、しばらくして、すごく豪華な深紅のローブを手に入れたんだ。ディドロはそのローブがもたらすステータスを気に入ったんだけど、同時に、自分の持っている他のものが、そのローブの美しさや格式に全然釣り合わないと感じ始めたんだよね。

「こんな立派なローブを着ているのに、なんでこんなボロい椅子に座って、こんなみすぼらしい靴を履いて、こんな質素な机で物を書かなきゃいけないんだ?」って思ったわけ。それで、すぐに新しい革張りの椅子、新しい靴、豪華な木製の机を次々に購入したんだって。どれも、その深紅のローブにふさわしいもの、というか、もっと言えば、そんな豪華なローブを着る人にふさわしいもの、っていう感じかな。

つまりね、新しいローブが、ディドロの新しいアイデンティティを作り出してしまったんだよね。彼はそのアイデンティティに執着して、それを世間にアピールし続けたいと思うようになったんだ。「わが古きガウンへの後悔」っていうエッセイの中で、彼はこう嘆いているんだ。「私は以前、古いガウンの絶対的な主人だった。今は新しいガウンの奴隷になってしまった。」

ディドロは、買ったステータスの罠に陥ってしまったんだよね。外部からの肯定を求めて、もっともっと、次から次へと物を欲しがるようになってしまったんだ。

だから、こういう買ったステータスのゲームを避け、獲得したステータスのゲームをすることが、ソーシャル・ウェルス、つまり社会的な豊かさを築く上で大切なんだって。

じゃあ、自分がどんなゲームをしているかを見極めるための、簡単なテストを2つ紹介するね。

まず、「買ったステータス・テスト」。これはね、

「もし誰にも見せびらかしたり、話したりできなかったとしても、私はこれを買うだろうか?」

って自問自答してみるんだ。買ったステータスっていうのは、手に入れたステータス・シンボルを通じて得られる、一時的な社会的な地位の向上だよね。この質問をすることで、そのアイテム自体が幸福や実用性をもたらすのか、それとも単に自分の成功や達成を他人にアピールするためだけのものなのかを見極めることができるんだ。

例えばね、高級時計を買うのは、時計の精巧なエンジニアリングや細部に惚れ込んでいるから?それとも、高級時計を持っていることを見せつけたいから?

速い車を買うのは、車に夢中で、休日に山道をドライブすることを夢見ているから?それとも、自分が成功した人間だと思わせたいから?

チャリティーイベントのテーブル席にお金を払うのは、そのチャリティーのミッションに共感していて、匿名で寄付してもいいと思っているから?それとも、自分がテーブルを購入できるような人間だと思われたいから?

まあ、買ったステータスのゲームを完全に排除することは難しいと思うけど、こうやって自分の動機を問い直すことで、新たな気づきが生まれて、獲得したステータスのゲームに時間とエネルギーを集中できるようになるはずだよ。

次に、「獲得したステータス・テスト」。これは、

「世界で一番お金持ちの人が、明日、私と同じものを手に入れることができるだろうか?」

って考えてみるんだ。獲得したステータスっていうのは、努力の末に手に入れたものを通じて得られる、真の尊敬、称賛、信頼のことだよね。例えば、自由な時間、愛情のある人間関係、意義のある仕事、専門知識や知恵、健康な心と体、努力して得た経済的な成功、とかね。

世界で一番お金持ちの人でも、これらのものを1日で手に入れることはできないんだ。もしあなたが明確な努力をして、効果的に優先順位をつけなければ、これらのものはなかなか手に入らないだろうね。世界一のお金持ちでも、あなたより早く愛情のある人間関係を築くことはできないし、あなたより早く健康な心と体を手に入れることもできないんだ。彼らは、専門知識、知恵、目的意識をお金で買うこともできない。お金があれば、自由時間のような一部のものを手に入れる可能性は高まるかもしれないけど、努力は避けられないんだよね。「ローマは一日にして成らず」って言うでしょ?

起業家のナヴァル・ラヴィカントは、「くだらないゲームをすれば、くだらない賞品がもらえる」って言ったらしいよ。

ドゥニ・ディドロは、くだらないゲームをして、くだらない賞品を手に入れたんだ。同じ罠に陥らないように、買ったステータスのゲームを避け、獲得したステータスのゲームに集中しよう。そっちの方が、ずっとやりがいのある賞品がもらえるからね。

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